【住宅ローンの頭金はいくら?】家を買う前に知っておきたい頭金の仕組み

今回ご紹介するのは、住宅ローンの頭金についてです。

そもそも頭金とはなんなのか。

払うことでどんなメリットがあるのか。

頭金ゼロでも大丈夫なのか。

頭金はどれくらい用意するものなのか、詳しく解説していきます。

住宅ローンを計画的に組むためにも、頭金の仕組みを理解しておきましょう。

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家を購入するということ

住宅を買う場合、ほとんどの方が住宅ローンを組むこととなります。

もちろん全額自分で支払う方も中にはいますが、数千万円という人生における大きな買い物はそう簡単に支払えるものではありません。

一般的には、住宅ローンを組み、長期的に返済をすることで家を手に入れます。

その際、頭金を払うか払わないかを選択します。

この頭金、実はとっても重要なものなんです。

いったい、頭金とは何なのでしょうか。

頭金って?

頭金とは、住宅を購入するときに「住宅ローンで含まれない、自己資金で払う部分」のことです。

住宅ローンと頭金を合わせた額が、住宅の価格というわけです。

例えば5000万円の住宅を買う際に、頭金を300万円払えば、ローン分は4700万円。

頭金を600万円払えば、ローン分は4400万円です。

頭金を払うことにはどんなメリットがあるのでしょうか。

頭金を支払うメリット

頭金のメリットは大きく4つ。

  • 住宅ローンの審査に通りやすくなる
  • 毎月のローン返済を抑えられる
  • 支払う利息を抑えられる
  • 担保割れのリスクを回避できる

一つずつ詳しく見ていきましょう。

メリット①住宅ローンの審査に通りやすくなる

頭金を用意することで、「返済能力」の信頼度を高め、審査に通りやすくなる可能性があります。

審査ではほかにも様々な情報が加味されますが、頭金があるかないかも判断材料の一つなのです。

メリット②毎月のローン返済を抑えられる

頭金を支払うということは、住宅ローンの借入額を減らすということでもあります。

ローンの借入額が減れば、月々に支払う返済分も当然減ります。

頭金を用意することで、月々の返済額を抑えることができるのは大きなメリットといえるでしょう。

メリット③支払う利息を抑えられる

住宅ローンの借入額を減らすことで、支払う利息を抑えることができます。

頭金を払えば払うだけ、利息分を減らすことができるのです。

メリット④担保割れのリスクを回避できる

リスクを下げるという意味でも、頭金は重要です。

万が一、住宅を売る必要が出てきたとき、住宅の売却価格がローン残高よりも低い「担保割れ」に陥ってしまう恐れがあるからです。

住宅の価値は、月日とともに下がっていってしまいます。

売却しても残ったローン分を返済しきれない場合、足りない金額を補填しなければならないのです。

頭金は平均いくら?

リクルート住まいカンパニーによる「2019年首都圏新築マンション契約者動向調査」によると、住宅の価格に対して頭金比率の平均は19.1%です。

最も頭金比率が高かったのはシニアカップル世帯の69%。

最も低かったのは夫婦のみ世帯の10.8%です。

頭金の比率の調査データを表にまとめてみました。

0% 13.6

最も多いのは頭金比率5%未満で、中には頭金なしで購入している方もいることがわかります。

頭金は住宅の価格次第

住宅の価格に対して頭金比率の平均は19.1%(「2019年首都圏新築マンション契約者動向調査」リクルート住まいカンパニー調べ)です。

あくまでこれは比率であり、実際頭金がいくらかは、購入する物件によって変わります。

購入する物件が5000万円であれば、頭金は955万円。

購入価格が1000万円であれば、頭金は191万円です。

頭金は多いほうがいい?

頭金は多ければ多いほどメリットも強くなります。

もちろん自分の持ちうるお金との相談になりますが、できることなら頭金を多めに払っておいたほうが良いでしょう。

続いて、頭金を多く払うことで得られるメリットをご紹介します。

頭金が多いことによるメリット


最も大きいメリットは、金利の低い住宅ローンを使えることです。

住宅ローンには多種多様ありますが、中には頭金の割合を条件にしているものもあります。

頭金が少ない場合よりも金利が低くなっており、お得にローンを組めるわけです。

他にも、頭金が多ければ多いほど月々の返済額や支払う利息が減りますし、担保割れのリスクも小さくなります。

より安心して住宅ローンを組めるのが、頭金を多くするメリットです。

頭金が多いことによるデメリット

頭金が多いとメリットも大きくなるからと言って、むやみやたらに払えばいいわけではありません。

頭金を多く用意するためには、それ相応の準備が必要になってきます。

貯蓄を崩しすぎてしまったり、頭金を貯めている間に欲しい物件がなくなってしまったり。

頭金を増やすことに気を取られて、かえって損をしないよう注意しましょう。

頭金なしでも住宅ローンは組める

頭金なしでも住宅ローンを組むことは可能です。

頭金があるメリットはなくなりますが、すぐにお金を用意できない方でも住宅を手に入れられます。

ですが、頭金がないことによって発生するデメリットもあります。

頭金ゼロによるデメリット

頭金ゼロによるデメリットは4つあります。

  • 審査に落ちる可能性がある
  • 月々の返済額が増える
  • 返済期間が長くなる
  • 売却してもローンが残る可能性がある

一つずつ見ていきましょう。

デメリット①審査に落ちる可能性がある

そもそも、住宅ローンの審査に落ちてしまう可能性があります。

住宅ローンの審査では、契約者に返済能力があるかどうかが一つのポイントとなります。

ですが頭金がゼロであれば、「あまりお金に余裕がないのでは?」と捉えられてしまうかもしれないのです。

頭金ゼロが原因で、住宅を手にすることができないというのは大きなデメリットです。

デメリット②月々の返済額が増える

住宅価格=頭金+ローン

である以上、頭金がゼロになると、住宅価格すべてをローンで支払うこととなります。

当然月々の返済額は増え、負担は大きくなるでしょう。

購入するときは楽かもしれませんが、長期的な視点で見ると家計を苦しめてしまいます。

ローンの負担を減らすのも、頭金の大きな役割なのです。

デメリット③返済期間が長くなる

月々の返済額を高めに設定しなければ、返済期間はその分長くなります。

特に定年後を越してしまうようであれば、危険かもしれません。

老後に毎月大きな出費があるというのは、できれば避けたいものです。

デメリット④売却してもローンが残る可能性がある

購入した住宅に永住するのであれば問題はありませんが、事情によっては売却することもあるでしょう。

そうなった場合、住宅は月日とともに劣化するため売却価格は年々下がっていきます。

ローンが残っている状態で売却するとき、売ったお金を残りの返済に回すわけですが、それでもローンを返しきれない可能性が出てきます。

頭金をゼロにすることで、ローンの返済額は増えるからです。

ローンを返すために、家を売ったうえでさらに追加で自分もお金を払うのはかなりの痛手となってしまいます。

頭金ありとなし、差はどのくらい?

頭金がある場合とない場合、実際の返済額の差はどのくらいなのでしょうか。

住宅価格が5000万円の場合で考えてみましょう。

住宅価格5000万円、固定金利1.5%、35年返済の場合

頭金の金額 借入額  毎月の返済額 住宅ローンの総返済額 合計額
頭金0% 0円 5000万円 153,092円 約6430万円 約6430万円
頭金10% 500万円 4500万円 137,782円  約5787万円 約6287万円
頭金20% 1000万円 4000万円 122,473円 約5144万円 約5644万円

頭金ゼロの場合の総支払額は約6430万円ですが、頭金を20%払っておけば、総支払額は約5644万円です。

その差は786万円にもなります。

月々の返済も、頭金がゼロの場合に比べて、頭金20%支払っておけば約3万円も減ります。

頭金があるかないかで、住宅を買うのに必要なお金が大きく変わってくるのです。

頭金なしに向いているタイプ

実際、頭金なしで住宅ローンを組む方はいます。

頭金を用意するのが難しかったり、すぐに欲しい住宅を手にしたかったりと、頭金ゼロで住宅ローンを組む場合には様々な理由があります。

月々の返済に不安のない方や、収入が上がる予定であれば、頭金なしでも全く問題はないです。

この先ローンを支払い続ける自信がある方なら、頭金なしで住宅ローンを組むのも一つの手でしょう。

頭金を増やしすぎないよう注意

頭金はたとえ1割でも、些細な額とはいえないものになってきます。

頭金を増やしすぎて逆に生活が困難になっていては、元も子もありません。

他にも、住宅ローン控除という仕組みを活用するためにも、頭金を増やしすぎないほうが良い可能性があります。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、最初の10年間に限り、住宅ローンの残高のうち1%が控除されるというもの。

つまり、ローン残高が低いよりも高いほうが控除される額は大きくなります。

住宅ローン控除を使うことで、金利分を帳消しにすることも場合によっては可能なので、あまり頭金を多く用意しすぎてローン分を減らすのは得策とは言えないのです。

手元にいくら残しておくべきか

生活するのに必要なお金は、住宅ローン以外にもたくさんあります。

頭金を増やせば月々の返済額は減りますが、最初にかかる負担の大きさは無視できません。

人によって手元に残しておくべき金額は変わってきますが、将来的に必要なお金や日々かかるお金を踏まえて、それよりも少し多めに用意するのが無難です。

生活予備費は残して

生活予備費とは、病気やケガ、倒産にリストラ、火事に地震など不測の事態に備えて用意しておくお金のことです。

人生では何が起こるかわからないものです。

頭金を増やすのもいいですが、最低限の生活費・生活予備費は用意し、計画的な住宅ローンを組むよう心がけましょう。

家を買うときに必要なのは頭金だけではない

頭金ゼロだとしても、家を買うときに用意するお金はある程度必要です。

後々の返済の前に、税金や手数料を払わなければならないからです。

税金や手数料がかかる

住宅を購入する際、かかる可能性のある諸費用は以下の通りです。

  • 印紙税
  • 登記費用
  • 不動産取得税
  • 住宅ローン借入費用
  • 固定資産税清算金
  • 仲介手数料
  • 修繕積立基金

契約する物件によってかかる諸費用は異なってきます。

それぞれの費用についてみていきましょう。

印紙税

契約書に必要になる、印紙代のことです。

大体5,000円~数万円かかることが多いです。

購入する物件の価格が高いほど、印紙代も高くなります。

登記費用

土地や建物の権利を登録するときにかかる費用です。

費用がいくらかは、法務局によって定められます。

不動産取得税

住宅を購入する際にかかる税金のことです。

住宅ローン借入費用

金融機関に支払う融資の手数料や、保証会社に支払うローン保証料などが含まれます。

固定資産税清算金

土地や物件を所有していることでかかってくる税金です。

仲介手数料

仲介業者が間に入っていた場合、仲介手数料がかかります。

中古住宅を購入する場合などにかかることの多いおかねです。

修繕積立基金

マンションなどを購入する場合は、修繕積立基金が必要となります。

共用スペースなどの修繕費用として、将来足りなくなるのを防ぐために事前に払っておくお金です。

以上が、住宅ローンや頭金以外で必要になってくるお金です。

家を買うときにすぐ必要になるお金の目安

家を買うときにすぐ必要になるお金は、頭金と税金や手数料といった諸費用です。

それと生活費・生活予備費の折り合いをつけつつ、頭金をいくら用意するか決めましょう。

不動産・住宅サイト「SUUMO(スーモ)」のサイトを使えば、買える住宅の金額をシミュレーションすることができます。

『住宅ローンシミュレーション』

参考の一つとして活用してみてください。

おわりに

いかがだったでしょうか。

住宅ローンの頭金は、必ずしも必要ではないものの、あればメリットの大きいものです。

あくまで自分が支払える範囲かどうか、無理ない返済ができるかどうかよく考えて、頭金をいくら払うか決めましょう。

頭金を払えば、よりよい住宅ローンを組むことができますよ。

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