住宅ローン控除とふるさと納税制度は、どちらとも所得税と住民税として収めることができる制度です。
このようなおいしい制度を利用しようと考えている人の中には、住宅ローン控除とふるさと納税を併用することができるのかと思った方もいるかと思います。
結論から言ってしまうと、併用することは可能です。
しかし、併用することによって控除される金額が少なくなってしまうこともあるので、注意をしなければなりません。
この記事では、ふるさと納税や住宅ローン控除の基礎知識を解説したあとに、併用に関する情報をまとめています。
住宅ローン控除とふるさと納税を併用したいと考えている方は是非参考にしてください。
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Contents
住宅ローン控除とふるさと納税の基礎知識
まずは、住宅ローン控除とふるさと納税について解説します。
これら2つの制度について詳しく知っておかないと、併用するために必要なことを理解できない可能性があるので、しっかりと覚えておきましょう。
住宅ローン控除とは?
まずは、住宅ローン控除から解説します。
住宅ローン控除というのは、住宅ローンを利用して物件を購入する方に対して、住民税や所得税が軽減される制度です。
住宅ローン控除を利用するためには、様々な条件を満たす必要があります。
具体的に言うと、
- 自分で住むための家を購入する
- 耐震性能が最新
- 床面積が50平方メートル以上ある
- 年収が3000万円以下
これらの条件を満たしている必要があります。
これらについて簡単に解説します。
自分で住むための家を購入する
住宅ローン控除を受けるためには、住宅ローン控除を利用する方が居住するための家である必要があります。
つまり、不動産投資では利用することができないということです。
また、契約者の配偶者や家族が住むための家だとしても、契約者自信が住民票を移す必要があります。
たとえ、契約者以外の家族が住む家だとしても住宅ローン控除は利用できないので、注意が必要してください。
耐震性能が最新
新築の物件であれば、耐震性能は最新のものになっているので安心ですが、中古物件や建てられた年代が古いと、最新の耐震性能を満たしていない可能性があります。
耐震性能が最新でないと住宅ローン控除は利用できないので注意してください。
耐震性能は、地域自治体に申し込むことで確認してもらえるので、必ず利用しましょう。
床面積が50平方メートル以上ある
床の面積が50平方メートル以上の物件でないと、住宅ローン控除を受けることはできません。
一戸建ての場合とマンションの場合で異なり、マンションの場合には壁芯面積という方法で図られています。
そのため、床面積とは少し面積が異なります。
大体、壁芯面積のほうが床面積よりも3平方メートル程度大きくなるとされているので、不動産広告を見るときには気をつけましょう。
仮にマンションを購入するとなったら、必ず担当者に床面積について聞いておくことをおすすめします。
年収が3000万円以下
年収が3000万円以上だと、住宅ローン控除を受けることはできません。
ただし、3000万円以上の収入を得た次の年に3000万円未満になった場合には、住宅ローン控除を受けることができます。
あくまでも、3000万円を超えてしまった年度だけ、住宅ローン控除ができないということを覚えておきましょう。
住宅ローン控除のメリット
住宅ローン控除のメリットは、所得税を控除してもらえる点ですね。
住宅ローン控除は、年末のローン残高×1%の所得税控除を最大で10年間受けることができます。
1年間の控除上限額は40万円で、10年間最大で400万円の控除をしてもらうことが可能です。
住宅ローン控除を受けるはじめの年には確定申告をする必要がありますが、2年目以降には年末調整によって控除を受けることができます。
住宅ローン控除のデメリット
住宅ローン控除は、所得税や住民税から控除をしてもらえる制度ですので、デメリットはありません。
利用できるのであれば必ず利用したほうがいいですね!
ふるさと納税とは?
次はふるさと納税について解説します。
ふるさと納税とは、自分の好きな自治体へ寄付する仕組みのことです。
寄付をすることによって、地域の特産品をもらうことができ、寄付金が税金から控除されるといったとても良い制度です。
地域社会の活性化を目的としている制度なので、寄付する側も寄付される側もメリットになる制度だと言えますね。
ふるさと納税をするメリット
ふるさと納税を利用するメリットは以下の通りです。
- 被災地の支援をすることができる
- 地元や故郷以外でも納税することができる
- 好きな金額を寄付することができる
- 好きな特典を選ぶことができる
これらについて解説します。
被災地の支援をすることができる・地元や故郷以外でも納税することができる
ふるさと納税という名前なので、自分のふるさとにしか納税できないと思ってしまう人もいると思いますが、そんなことはありません。
ふるさと納税ができる地域であれば、どこでも納税することが可能です。
なので、被災してしまった地域に支援としてふるさと納税を送ることもできます。
自分の好きな地域に送ることができることを覚えておきましょう。
好きな金額を寄付することができる
ふるさと納税では、好きな金額を寄付することが可能です。
ただ、控除を考えているのであれば、最低でも2000円は寄付しなければなりません。
2000円以上寄付しているのであれば、税の控除の対象となるので、控除目的でふるさと納税を利用するのであれば、忘れないようにしましょう。
好きな特典を選ぶことができる
地域ごとによって、好きな特典をもらうことが可能です。
現在であれば、10000円以上寄付することで、いくらやうなぎ、A5和牛などの特典をもらえる地域もあります。
返礼品に関しては、検索してみるとたくさん出てくるので、興味がある方は確認してみると良いでしょう。
ふるさと納税をするデメリット
ふるさと納税を利用するデメリットは以下の通りです。
- 確定申告や申請をしなければならない
- 還元率が低い
これらについて解説します。
確定申告や申請をしなければならない
ふるさと納税を1年で5回以上利用してしまうと、確定申告をしなければなりません。
そもそも確定申告というのは、所得にかかる税金の金額を計算して税金を支払う手続きをすることです。
期間としては、1月1日から12月1日までの1年間です。
サラリーマンのような給与所得者であれば、確定申告を行う必要はないのですが、ふるさと納税を1年で5回以上してしまうと、確定申告をおこなう必要があります。
確定申告には、会社が発行している、
- 源泉徴収票
- 寄与受領証明書
- 還付金受付用口座番号
- 印鑑
- マイナンバー
が必要になります。
確定申告をするとなると、多くの事務作業をしなければならないので、デメリットと言えるでしょう。
還元率が低い
ふるさと納税は、返礼品の還元率が3割未満にするという規制がされているので、大した還元を見込めません。
この規制は、過剰な返礼品のせいでふるさとを支援するという目的から逸脱してしまうケースが増えてしまったために決められました。
以前は3割以上の返礼品もあったのですが、現在では3割以下の返礼品しか見込めません。
かなり大きなデメリットと言っても過言ではないですね。
住宅ローン控除とふるさと納税を併用することは可能?
多くの方が気になっている内容を解説します。
結論から言ってしまうと、住宅ローン控除とふるさと納税は併用することが可能です。
もちろん、納税している金額から控除されるので、納税金額以上の控除を受けることはできません。
大半の場合は、両方の控除を受けることができるので、安心して併用しましょう。
住宅ローン控除とふるさと納税を併用する際の注意点
住宅ローン控除とふるさと納税を併用するとなると、『確定申告』か『ワンストップ特例制度』のどちらかを行わなければなりません。
どちらかを行うことで、両方の控除を受けることができるので、必ずどちらかをしましょう。
ただ、確定申告をしてしまうと、控除額を満額受け取ることができない可能性があります。
それについて詳しく解説します。
確定申告をすると控除額が少なくなることもある
ふるさと納税を行って税の控除を受けるためには、確定申告かワンストップ特例制度のどちらかを行わなければいけないということは先程紹介しましたね。
確定申告をすると、控除額を満額受け取ることができない理由について解説します。
確定申告をするときには、ふるさと納税の金額は、寄付した方の所得税から控除されてしまい、同じく所得税から控除される、住宅ローン控除の金額が減ってしまう可能性があるのです。
また、住宅ローン控除では、所得税から控除できなかった金額がある場合には、住民税からも控除してもらうことが可能ですが、その場合には上限金額が定められています。
住民税から控除することになった場合には、課税総所得金額の7%まで、最大136500円となります。
このような上限金額が定められていて、住宅ローン控除はふるさと納税の控除後に行われるので、満額受けられない可能性が有るということです。
ワンストップ特例制度を利用すれば併用の影響なし
このような控除を満額受けられない状況を回避するためには、ワンストップ特例制度を利用する必要があります。
ワンストップ特例制度とは、確定申告が扶養な所得者がふるさと納税で寄付している地域が5箇所以内であれば、確定申告が必要なくなる制度です。
ワンストップ特例制度では、所得税からは控除されず、住民税が控除されるので、住宅ローン控除に与える影響が少なくなります。
ちなみに、ワンストップ特例制度を利用すると、ふるさと納税を行った次の年の6月以降に支払う住民税が減ります。
ワンストップ特例制度を利用するときに注意しなければ行けない点がいくつかあるので、それらを解説します。
住宅ローン控除1年目だとワンストップ特例制度を利用できない
住宅ローン控除を利用するとなれば、初年度に確定申告をしなければいけません。
ワンストップ特例制度は、確定申告をしている利用することができないので、住宅ローン控除の初年度には利用することができないということを覚えておきましょう。
確定申告が必要な場合にはワンストップ特例制度を利用できない
住宅ローン控除で確定申告を必要とする場合以外にも、確定申告が必要な場合にはワンストップ特例制度を利用することができません。
確定申告が必要な例は以下の通りです。
- 自営業やフリーランスの個人事業主
- 公的年金をもらっている方
- 不動産や投資等の所得が有る方
- 副業の収入が年20万円を超える方
- 年収2000万円を超える方
これらに当てはまる方は確定申告が必要になってくるので、ワンストップ特例制度を利用することができません。
その他にも、ワンストップ特例制度を利用するためにはいくつかの条件があります。
- 寄付先の自治体が5箇所以内
- 自治体に申請書を郵送している
これらの条件も必要になるので、ワンストップ特例制度を利用したいのであれば、確認しておきましょう。
控除額をシミュレーターで確認する
ふるさと納税のサイトでは、ふるさと納税シミュレーションをすることができます。
寄付金を入力すると、どのくらいの控除が受けられるのか自動的に計算してもらえるツールです。
ただ、住宅ローン控除と一緒に税金の控除をしてもらう場合には気をつけなければなりません。
というのも、住宅ローン控除まで考慮されているシミュレーションはほとんどないからです。
正しい控除額が求められないので、注意して利用してみましょう。
まとめ
住宅ローン控除とふるさと納税について理解していただけたでしょうか。
ふるさと納税と住宅ローン控除は上手く併用することで、税金を大きく控除してもらうことも可能です。
また、確定申告ではなく、ワンストップ特例制度を利用することで最大限の控除をしてもらえるので、必ずワンストップ特例制度を利用しましょう。
先程も言いましたが、住宅ローン控除の初年度では確定申告が必要なため、ワンストップ特例制度は利用できません。
2年目以降にワンストップ特例制度を利用するようにしましょう。