住宅ローンの元金均等方式と元利金等方式の違いとは?お得な方法を紹介

住宅ローンの元金均等方式と元利金等方式の違いとは?お得な方法を紹介

住宅ローンの利用を考えている方であれば、元金均等方式と元利均等方式という返済方法について聞いたことがあるかと思います。

ただ、元金均等方式と元利均等方式の違いやメリット・デメリットについてしっかりと理解している方は少ないのではないでしょうか。

今回の住宅ローンを返済するにあたって、元金均等方式と元利均等方式のどちらがお得になるのか解説します。

シミュレーションもするので、住宅ローンを利用しようと考えている方は、実際の金額を当てはめて計算すると、大まかな金額の差を知ることができます。

住宅ローンの返済方法で迷っている方はぜひ参考にしてください。

※本ページにはPRが含まれます。

元金均等方式と元利金等方式とは?

住宅ローンの返済は最長で35年かかります。

そうなると、住宅ローンの返済方法についてしっかりと知っておかないと、損をしてしまう気がしますよね。

まずは絶対に知って置かなければならない、元金均等方式と元利均等方式について解説しましょう。

  • 元金均等方式:元金を均等に返済していく方法
  • 元利均等方式:元金と利息を合わせて均等に返済していく方法

基本的にはこのような違いがあります。

しかしこれだけではわかりにくいと思うので、それぞれ解説します。

元金均等方式とは

元金均等方式とは、元金を均等に返済していく方法です。

簡単に言うと、毎月の返済額のうち、元金額が一定になる返済方式です。

返済当初は、元金多いので利息が大きくなってしまい、返済金額が増えてしまいます。

しかし、返済終盤になってくると利息が減ってくるので返済額が減っていくような特徴を持っています。

元利均等方式とは

元利均等方式とは、元金と利息を合わせて均等に返済していく方法です。

簡単に言ってしまえば、住宅ローンを利用し始めてから支払い終わるまで同じ金額を返済し続ける方法となっています。

元利均等方式のほうが将来支払う金額まで簡単にわかるので、計画を立てやすいですね。

元金均等方式と元利金等方式のメリット・デメリット

元金均等方式と元利金等方式の返済方法については理解していただけたかと思いますが、それだけではどちらを選べばいいのかわかりませんね。

ここからは、元金均等方式と元利金等方式のメリット・デメリットについて解説します。

元金均等方式と元利金等方式のメリット・デメリットを理解した上で住宅ローンの返済方法について考えましょう!

元金均等方式のメリット・デメリット

まずは元金均等方式のメリット・デメリットについて解説します。

【メリット】

  • 元金の減る量が早い
  • 毎月の返済金額がどんどん減っていく
  • 総返済金額が少なくなる

【デメリット】

  • 住宅ローンの返済当初の支払いが多い
  • 借りられる金額が減ってしまう可能性もある
  • 元金均等方式を利用できない銀行もある

これらが元金均等方式のメリット・デメリットです。

これらについて解説します。

元金均等方式のメリット

まずは、メリットについて解説します。

元金の減る量が早い

先程も言ったとおり、元金均等返済だと元金が一定量減っていきます。

そうなると、利息を無駄に払うようなことがないため、総返済金額も少なくなります。

無駄なお金を支払いたくないという方は、元金均等方式を利用することがおすすめです。

毎月の返済金額がどんどん減っていく

元金均等方式では、元金が一定量減っていくので、毎月の返済金額もどんどん減っていきます。

「いまは住宅ローンを返済している余裕があるけど、将来的に大きな負担になるのは怖い…。」

このように考えている方は、元金均等方式がおすすめです。

総返済金額が少なくなる

元金が一定量減っていくので、元利均等方式と比べて総返済金額が少なくなります。

無駄に利息を支払わなくて済むのでおすすめです。

元金均等方式のデメリット

次は元金均等方式のデメリットについて解説します。

住宅ローンの返済当初の支払いが多い

返済終盤になってくると、返済金額は抑えられてきますが、逆に返済が始まった当初は返済金額が多いです。

基本的に住宅ローンを利用する方は30代が多いので、30代で毎月大きな返済金額を背負わなければならないことがデメリットでしょう。

もちろん、住宅ローンを返済するためのお金を十分に持っているのであれば、問題ありませんが、大半の方はそうではありませんね。

支払い当初に大きな金額を支払えないという方は、元金均等方式に向いていません。

借りられる金額が減ってしまう可能性もある

元金均等方式では、借り入れ可能額が減ってしまう可能性があります。

なぜなら、支払い当初の返済金額が負担になってしまうからですね。

住宅ローンを借り入れるために必ず計算しなければならないのが、返済負担率です。

返済負担率というのは、「年収の中で住宅ローンの返済に使われている割合」のことです。

基本的に、返済負担率は28%程度までが安全圏と言われています。

元金均等方式だと、住宅ローンを利用し始めたときの返済金額が多いので、返済負担率も必然的に上がってきます。

返済負担率が上がってしまうと、「住宅ローンをしっかりと返済してもらえるのかわからない」と判断されてしまうため、審査の段階で落とされてしまう可能性があります。

結果として、借入金額が減ってしまう可能性があるということです。

元金均等方式を利用できない銀行もある

そもそも、住宅ローンの返済方法として元金均等方式を選べない可能性があります。

元金均等方式を利用したくても、できない金融機関があるということを覚えておきましょう。

元利金等方式のメリット・デメリット

続いて、元利均等方式のメリット・デメリットについて紹介します。

【メリット】

  • 毎月の返済額が一定

【デメリット】

  • 元金が減りにくい
  • 総返済金額が多くなる

元利金等方式のメリット

元利金等方式のメリットは、毎月の返済金額が少ないという点です。

これについて解説します。

毎月の返済額が一定

元利金等方式は、住宅ローンを利用し始めてから返済が終わるまで一定の金額を支払い続けることになります。

毎月の返済金額が一定であれば、将来の計画も立てやすいです。

収入の使いみちについてしっかりと計画が立てられるので、将来の不安を取り除きたいと考えている方は、元利金等方式で返済することをおすすめします。

元利金等方式のデメリット

次は、元利金等方式のデメリットについて解説します。

元金が減りにくい

毎月の返済金額街亭なので、元金均等方式と比べて総支払利息額が大きくなってしまいます。

利息を余分に支払うことになるため、お金が無駄になってしまうと感じる方もいるかも知れません。

特に、支払い当初は利息を支払っている部分が大きくなっています。

総返済金額が多くなる

元金が残りにくいので、利息を多く支払っていることになります。

つまり、最終的な総返済金額が増えてしまうことにつながってしまうのです。

ただ、総返済額を減らすために繰り上げ返済を行うことができます。

繰り上げ返済というのは、毎月の返済金額に加えて、返済していくことです。

繰り上げ返済をすれば、効率的に元金を減らすことができるので、余裕が出てから繰り上げ返済を行うことがおすすめです。

元金均等方式と元利金等方式のどちらのほうがお得?

元金均等方式と元利金等方式のメリット・デメリットについては理解してもらえたと思いますが、元金均等方式と元利金等方式のどちらがお得になるのかはまだわかりませんね。

次は、元金均等方式と元利金等方式のどちらがお得になるのか解説します。

その前に、一般的には、元金均等方式のほうが選ばれやすいということを知っておきましょう。

ほとんどの方は、将来の計画や毎月の支払金額を優先しているようです。

では、実際にシミュレーションをして、どのくらい金額の差が生じるのか確認してみましょう。

元金均等方式と元利金等方式のシミュレーション

まずは、シミュレーションをするにあたって、住宅ローンの借り入れ金額を設定しておきましょう。

ここでは、フラット35を参考にします。

  • 借入金額:3000万円
  • 固定金利:1.31%
  • 借り入れ年数:35年

このような条件をもとに、元金均等方式と元利金等方式のシミュレーションを行います。

【元金均等方式】

年目 回数 元金 利息 合計支払い金額
1年目 1回目 71,428円 32,750円 104,178円
2回目 71,428円 32,672円 104,100円
3回目 71,428円 32,594円 104,022円
4回目 71,428円 32,516円 103,944円
5回目 71,428円 32,438円 103,866円
6回目 71,428円 32,360円 103,788円
7回目 71,428円 32,282円 103,710円
8回目 71,428円 32,204円 103,632円
9回目 71,428円 32,126円 103,554円
10回目 71,428円 32,048円 103,476円
11回目 71,428円 31,970円 103,398円
12回目 71,428円 31,892円 103,320円
35年目 1回目 71,428円 935円 72,363円
2回目 71,428円 857円 72,285円
3回目 71,428円 780円 72,208円
4回目 71,428円 702円 72,130円
5回目 71,428円 624円 72,052円
6回目 71,428円 546円 71,974円
7回目 71,428円 468円 71,896円
8回目 71,428円 390円 71,818円
9回目 71,428円 312円 71,740円
10回目 71,428円 234円 71,662円
11回目 71,428円 156円 71,584円
12回目 71,428円 78円 71,746円

1年目と35年目の返済金額を表にしました。

最終的な総返済額は36,893,725円です。

35年目を見てもらうと、利息がほとんどないということがわかりますね。

これだけではお得かどうかわからないので、元利均等方式についても確認してみましょう。

【元利均等方式】

年目 回数 元金 利息 合計支払い金額
1年目 1回目 56,338円 32,750円 89,088円
2回目 56,400円 32,688円 89,088円
3回目 56,462円 32,626円 89,088円
4回目 56,523円 32,565円 89,088円
5回目 56,585円 32,503円 89,088円
6回目 56,647円 32,441円 89,088円
7回目 56,709円 32,379円 89,088円
8回目 56,770円 32,318円 89,088円
9回目 56,832円 32,256円 89,088円
10回目 56,894円 32,194円 89,088円
11回目 56,957円 32,131円 89,088円
12回目 57,019円 32,069円 89,088円
35年目 1回目 87,929円 1,159円 89,088円
2回目 88,025円 1,063円 89,088円
3回目 88,122円 966円 89,088円
4回目 88,218円 870円 89,088円
5回目 88,314円 774円 89,088円
6回目 88,410円 678円 89,088円
7回目 88,507円 581円 89,088円
8回目 88,604円 484円 89,088円
9回目 88,700円 388円 89,088円
10回目 88,797円 291円 89,088円
11回目 88,894円 194円 89,088円
12回目 89,178円 97円 89,088円

このようになります。

総返済金額は、37,417,147円です。

総返済額をまとめておきます。

元金均等方式 36,893,725円
元利均等方式 37,417,147円

このように見ると、元金均等方式のほうが50万円程度お得になることがわかります。

ただ、総返済額だけが住宅ローンの返済ではありません。

総返済額も大事ではありますが、将来の計画についてもしっかりと考えなければなりません。

また、住宅ローンを利用しようと考えている方が、共働きであるならば、子供が生まれることも視野に入れておきましょう。

子供が生まれるとなれば、妻は仕事をすることができず、住宅ローンの返済が厳しくなってしまうことも考えられます。

それに加えて、夫の収入が変化することもあるでしょう。

新型コロナウイルスのような、考えてもいなかった状況になって、ボーナスがもらえないようなこともあります。

このような状況にも対応できるように、世帯収入が減っても余裕がある住宅ローンの返済方法をえらびましょう。

返済金額の面では元金均等方式がおすすめといえますが、それで返済が厳しくなってしまっては意味がありません。

低金利の住宅ローンだと元金均等方式のメリットが少なくなる

先程まで、元金均等方式と元利均等方式の金利の方が抑えられて、返済金額面ではお得になるということをお伝えしましたが、低金利の住宅ローンだとメリットが少なくなってしまいます。

金利が高ければ、元利均等方式のときとの差額も大きくなりますが、金利が低いと差が少なくなります。

現在の金利は低水準になっているため、元金均等方式で住宅ローンの返済をしても、大きなメリットは感じられないでしょう。

低金利の場合のシミュレーションもしてみましょう。

今回は以下のような条件を利用します。

  • 借り入れ金額:3000万円
  • 金利:0.580%
  • 借り入れ年数:35年

このような条件でシミュレーションをした結果がこちらです。

元金均等方式 元利均等方式
総返済金額 33,052,064円 33,154,989円
毎月の返済金額 85,928円 78,940円

先程と違い、10万円程度の利息の差しか生じていません。

このように、低金利で住宅ローンを返済するのであれば、大した差はないのでお金の面以外で返済方法を選ぶことをおすすめします。

元金均等方式に向いている人・元利均等方式に向いている人はどんな人?

家の模型と1の指をしている女性ここまで、住宅ローンの返済方法について見てきましたが、結局どんな人に向いているのか、よくわからない方もいるかもしれません。

最後に、元金均等方式に向いている人、元利均等方式に向いている人を紹介します。

【元金均等方式が向いている人】

  • 返済当初に余裕がある人
  • 買い替えを考えている

【元利均等方式が向いている人】

  • 計画を立てて人生を過ごしたい人
  • 収入が伸びる可能性がある人

簡単に言ってしまえば、このような方が向いていると言えるでしょう。

元金均等方式が向いている人

返済当初にお金がある人については、先程行ったシミュレーションで行ったとおりなので、理解しているかと思います。

ここでは、住宅の買い替えについて解説します。

住宅ローンを利用している段階で、住宅の買い替えについて考えている方は少ないかもしれませんが、お得になるので解説します。

元金均等方式であれば、住宅ローンを利用しても元金がどんどん減っていきます。

そのため、家を売却したときに、担保割れが起きにくいメリットがあります。

担保割れというのは、住宅を売却したお金で住宅ローンを返済しきれない状況のことを言います。

こうなってしまうと、住宅の買い替えは難しいですが、元金均等方式であればこのリスクを回避しやすいです。

そのため、住宅の買い替えを考えている方は、元金均等方式を利用しましょう。

元利均等方式が向いている人

元利均等方式が向いている人は、計画を立てて人生を過ごしたい人です。

元利均等方式であれば、常に同じ金額を支払うだけなので、貯金の計画が立てやすいです。

人生を計画的に過ごしていきたいのであれば、元利均等方式を利用しましょう。

また、これから収入が伸びると思われる場合にも元利均等方式がおすすめです。

収入が伸びれば、繰り上げ返済をすることができて、早く住宅ローンを返済することもできます。

このような方は、元利均等方式を選びましょう。

元利均等方式が向いている人

元金均等方式と元利金等方式のどちらも理解してから選びましょう

住宅ローンには2種類の返済方式があると理解していただけたかと思います。

元金均等方式にも元利均等方式にもメリット・デメリットがあるので、しっかりと理解してから返済方法を選びましょう。

【元金均等方式のメリット】

  • 元金の減る量が早い
  • 毎月の返済金額がどんどん減っていく
  • 総返済金額が少なくなる

【元金均等方式のデメリット】

  • 住宅ローンの返済当初の支払いが多い
  • 借りられる金額が減ってしまう可能性もある
  • 元金均等方式を利用できない銀行もある

【元利均等方式のメリット】

  • 毎月の返済額が一定

【元利均等方式のデメリット】

  • 元金が減りにくい
  • 総返済金額が多くなる

また、この記事で行っているシミュレーションでは、繰り上げ返済やボーナス返済を考慮していないため、実際の返済とは異なる可能性があるということも覚えておいてください。

住宅ローンや車のローンでも、第一に考えなければいけないことは、家庭の状況です。

無理のない住宅ローンを利用して、将来の計画もしっかりと立てておきましょう。

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