住宅ローンの返済には、毎月一定額返済していく「毎月払い」と、毎月払いに加えてボーナスを得たときに増額して返済する方法の「ボーナス併用払い」があります。
毎月支払いとボーナス併用払いにどのくらいの差が出てくるのか気になりますよね。
今回の記事では、ボーナス併用払いをするときとしないときの返済額の違いや、ボーナス併用払いのメリット・デメリットについて解説します。
住宅ローンの返済方法で迷っている方は是非参考にしてください。
【この記事でわかること】
- ボーナス併用払いのメリット・デメリット
- ボーナス併用支払いの注意点
- おすすめの返済方法
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Contents
住宅ローンのボーナス返済はお得なのか?
住宅ローンの返済方法の一つである、住宅ローンボーナス併用支払いですが、ボーナス併用支払いをしないときよりも、お得になるのか気になりますよね。
結論から言ってしまうと、住宅ローンのボーナス併用支払いは損をする可能性が高いです。
ただ、損をしてしまうだけだと罠なのかと思われてしまいますが、ボーナス併用支払いがおすすめの方もいます。
それは、毎月の返済金額を減らしたいと考えている方です。
しかし、基本的に住宅ローンのボーナス併用支払いは総返済額が増えてしまうので、最終的には損をしてしまいます。
これらについては、メリット・デメリットを紹介するときに詳しく解説します。
住宅ローンのボーナス返済とは?
まずは簡単に住宅ローンのボーナス返済について解説します。
住宅ローンのボーナス返済とは、毎月の返済に加えてボーナスが支給される月に多く返済する返済方法です。
ボーナス返済は、ボーナスだけで返済するわけではなく、毎月の返済もする必要があります。
しかし、ボーナスを併用することによって、毎月の返済金額の負担を減らすことが可能です。
毎月の返済金額を減らして、ボーナス時にたくさん支払うことになるので、日々の生活自体は楽になると言えますね。
会社からのボーナス支給が住宅ローンの返済月よりも遅いときでも、返済を待ってもらうことができないので、確認してから利用する必要があります。
ボーナス返済のメリット・デメリット
次は、ボーナス返済のメリット・デメリットについて解説します。
住宅ローンの返済方法で迷っている方は、メリット・デメリットを理解して決めましょう。
ボーナス返済のメリット
ボーナス返済のメリットは月々の返済金額を減らすことができる点です。
先程も紹介したとおり、ボーナス併用払いとは毎月の支払いに加えてボーナス支給時に多く返済する方法です。
ボーナス併用払いであれば、毎月の支払金額を減らせるので、負担が少なくなりますね。
結局支払う金額は変わらないので、最終的には同じことですが、毎月の費用が多くかかってしまう家庭であれば便利な支払い方法です。
例えば、教育費やその他のローンを利用している方ですね。
月々の返済金額を減らしたいと考えている方にとっては、大きなメリットになるでしょう。
ボーナス返済のデメリット
次は、ボーナス返済のデメリットについて解説します。
ボーナス返済のデメリットは以下のとおりです。
- 利子の負担が増加する
- ボーナスが支払われなかったときが大変
これらについて解説します。
利子の負担が増加する
ボーナス併用払いを利用すると、返済期間が短くなり、返済額が少なくなると考えている方もいるかもしれません。
しかし、ボーナス併用支払いを利用してしまうと、返済金額が増えて、返済期間が長くなってしまいます。
なぜボーナス併用支払いを利用すると返済金額が増えて、返済期間が長くなるのかといいますと、月々に返済する金額が少ないため、元金がなかなか減らなくなってしまうからです。
毎月の返済金額が少ないので、利子ばかり返済して元金まで返済が回りません。
毎月の返済金額が減ることはメリットと言えますが、そのせいで金利の負担が増えて島ということも覚えておきましょう。
ボーナスが支払われなかったときが大変
ボーナス併用支払いを利用するということは、半年に1回大きな金額を返済しなければいけません。
仮にボーナスが支給されなかったとしても、返済する義務があるのです。
会社によっては、業績によってボーナスが支給されない可能性があることもあります。
昨今の経済状況的にも、毎年必ずボーナスが支給されるとは限りませんよね。
仮に、公務員や大企業の社員であればボーナスが安定的に支給されるため、ボーナス併用支払いを利用しても問題ないかと思います。
ボーナスが安定的に支給されない可能性があるのであれば、ボーナス併用支払いはやめたほうがいいでしょう。
毎月返済のみとボーナス併用返済の返済額の差
ボーナス併用支払いをした場合と、毎月返済のみの場合に返済額がどのくらい違うのか気になりますよね。
ここでは、ボーナス併用支払いをした場合と、毎月返済のみの場合で返済額の違いについて解説します。
大前提として、ボーナス併用支払いをするとなると、住宅ローン借入金額の何割をボーナス払いとして支払うのかを決める必要があります。
一般的にはボーナス返済の割合は40~50%と設定されることが多いです。
具体的には、5000万円の住宅ローンを借りた場合に、50%をボーナス払いにするのであれば、2500万円をボーナスから支払う必要があります。
ボーナス返済の割合が大きければ大きいほど、毎月の返済額の負担が減ります。
また、先程も解説したとおり、ボーナスは基本的に年2回なので利子が増えてしまうでしょう。
最終的には、ボーナス併用支払いの総返済額のほうが大きくなってしまうことが多いです。
実際にシミュレーションをして確認してみましょう。
返済額のシミュレーション
以下の条件で住宅ローンを借りることとします。
- 借入金額:4000万円(ボーナス40%)
- 金利:0.980%
- 返済期間:35年
- 元利金等返済方式
この条件を踏まえて、毎月の返済金額、ボーナス支払い金額、総返済金額を出します。
毎月の返済額 | ボーナス支払い | 総返済額 | |
---|---|---|---|
ボーナス併用支払い | 67,525円 | 270,562円 | 47,299,596円 |
毎月支払いのみ | 112,541円 | 0円 | 47,267,388円 |
このような結果となりました。
この表を見てもらえればわかりますが、ボーナス併用支払いをすると、ボーナス併用支払いをしないときよりも総返済額が増えていますよね。
差額としては、30,208円です。
大した金額ではないかもしれませんが、同じ条件でも差が開いてしまうことはデメリットと言えますよね。
次は、ボーナス併用支払いの割合を2割に下げた場合も紹介します。
毎月の返済額 | ボーナス支払い | 総返済額 | |
---|---|---|---|
ボーナス併用支払い | 90,033円 | 135,281円 | 47,283,474円 |
毎月支払いのみ | 112,541円 | 0円 | 47,267,388円 |
ボーナス支払いの割合を下げると、返済金額の差も縮まりましたね。
16,086円の差になりました。
ボーナス併用支払いを考えているのであれば、できるだけボーナス支払いの金額を抑えた方がいいでしょう。
ボーナス返済が難しくなってしまったらどうすればいい?
ボーナスが支給されなくなってしまったり、会社の業績が悪く思っていたよりもボーナスが支給されなかったりと、ボーナス返済が難しくなってしまうこともありますよね。
そんなときにボーナス返済をしなければいけないとなってしまうと、かなり焦ってしまうと思います。
仮にボーナスが支給されなかったらどうすればいいのか気になりますよね。
住宅ローンというのは、毎月決められた金額を支払うことを前提とした契約をしているため、ボーナスが支給されなかったとしても、支払わなければなりません。
仮に返済を滞納してしまうと、金融機関の方から請求が送られてきます。
三ヶ月間滞納をしてしまうと、代位弁済となってしまい、住宅ローンの分割返済ができなくなります。
その結果として、住宅が金融機関によって競売に出されてしまいます。
基本的に、3ヶ月滞納したらおしまいだと思ったほうがいいですね。
ボーナス併用支払いには、このようなリスクが有るということを覚えておきましょう。
また、ボーナスが減ったりなくなったりしないと考えている方も、このようなリスクを考えて日頃から貯金をしておくことをおすすめします。
住宅ローン返済中にボーナス併用払いをやめることはできる?
住宅ローンを利用し始める前は、ボーナス併用支払いを利用して返済を考えていた方が途中でボーナス併用支払いをやめたいと考えることもありますよね。
結論から言ってしまうと、住宅ローンのボーナス併用支払いを途中で辞めることはほとんどの金融機関でできません。
どうしてもボーナス併用支払いをやめたいと考えているのであれば、他の住宅ローンを利用して借り換えを行うことになるでしょう。
借り換えをすることによって、金利を減らせる可能性もあるので、手数料や金利をしっかり確認してから借り換えを行いましょう。
借り換えについては以下の記事で解説しています。
ボーナス返済にはデメリットがある!繰り上げ返済がおすすめ
この記事で紹介したとおり、ボーナス併用支払いには様々なデメリットがあります。
ボーナスが減ったとしても、途中でボーナス併用支払いをやめることはできませんし、あまりおすすめできません。
では、おすすめの住宅ローン返済方法が何なのか気になりますよね。
それは、毎月支払いの返済に加えて、余裕のある月に繰り上げ返済をすることです。
繰り上げ返済とは?
繰り上げ返済というのは、毎月の支払いとは別にまとまった金額を住宅ローンの返済にあてる方法です。
繰り上げ返済では、支払った金額すべてが元金に当てられるため、利息や総支払額を減らすことができます。
ボーナス支払いと違って、自分の好きなタイミングで繰り上げ返済をすることができるので、安心です。
ただし、繰り上げ返済だと手数料が取られることもあるので、注意が必要です。
もちろん、繰り上げ返済をするために手数料が一切かからないような住宅ローンもあるので、興味がある方はさがしてみてください。
繰り上げ返済とボーナス返済の比較をしてみましょう。
条件は先程と同じく以下のものを利用します。
- 借入金額:4000万円(ボーナス40%)
- 金利:0.980%
- 返済期間:35年
- 元利金等返済方式
繰り上げ返済に関しては、5年後に100万円で計算します。
毎月の返済額 | ボーナス支払い | 総返済額 | |
---|---|---|---|
ボーナス併用支払い | 90,033円 | 135,281円 | 47,283,474円 |
繰り上げ返済 | 112,541円 | 0円 | 46,955,780円 |
繰り上げ返済を1回100万円しただけでも、327,694円の差額が出ます。
この数字だけ見ても、圧倒的に繰り上げ返済のほうがお得と言えますね。
ただ、誰でも5年以内に100万円貯められるわけではないので、できない方もいます。
それでも、先程紹介したとおり、ボーナス併用支払いをしないほうが安くなるので、繰り上げ返済がおすすめです。
繰り上げ返済の利用がおすすめの人
繰り上げ返済を利用するべき人を紹介します。
繰り上げ返済を利用するべき人は以下のとおりです。
- 総返済額を減らしたい
- 余裕があるときに返済をしたい
これらに当てはまるのであれば、繰り上げ返済を利用して住宅ローンの返済をしましょう。
特に、月々の返済金額が増えてしまったとしても、総返済額が減らせるほうがいいという方におすすめです。
また、繰り上げ返済であれば、好きなタイミングで好きな金額を繰り上げ返済することができるので、自由度が高いです。
月々の返済金額を減らしたいと考えていなければ、繰り上げ返済を利用することをおすすめします。
ボーナス返済の利用がおすすめの人
ボーナス返済を利用するべきについても解説します。
ボーナス返済を利用するべき人は月々の返済金額を減らしたいと考えている方です。
総返済金額は増えてしまいますが、それでも月々の返済金額を減らしたい理由があるのであれば、ボーナス返済を利用しましょう。
自分に合った返済方法を選びましょう
ボーナス併用支払いや繰り上げ返済など、住宅ローン返済方法はたくさんあります。
金利や借入金額、借入期間が同じだとしても、返済方法の選択によって毎月の返済金額や総返済金額は異なります。
現時点で毎月の支払いを減らしたいと考えているのであれば、ボーナス併用支払いを利用してもいいでしょう。
しかし、総返済金額を減らしたいと考えているのであれば、一般的な返済方法に加えて繰り上げ返済を利用しましょう。