住宅ローンを選ぶ時は、どうしても最初に金利に目がいきがちです。
金利が低ければ総返済額を抑えられますから、当然のことといえるでしょう。
しかし、住宅ローンを利用するとなると、住宅購入費用の他にもさまざまな費用がかかりますから、ただ単に金利が低い商品を選べばいいというものでもありません。
住宅ローン関連費用を賢く節約したいなら、住宅ローンの手数料にも目を向ける必要があります。
今回は住宅ローンの手数料について調べました。
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Contents
住宅ローン契約時には手数料が必要
住宅ローンを契約するときにはさまざまな手数料が発生します。
住宅ローンの手数料とは?
住宅ローンを利用すると、
- 事務手数料
- 証明書発行手数料
- 繰り上げ返済手数料
- 条件変更手数料
など、いろいろな手数料がかかります。
このうち事務手数料は、住宅ローンを利用する際に金融機関に対して必ず支払わなければなりません。
そのため、住宅ローンの手数料といえば、通常は事務手数料を指すことが多いです。
「事務取扱手数料」、「融資手数料」など、金融機関によって呼び名が異なりますが、全て同じものだと考えてください。
住宅ローンの事務手数料は金融機関によって異なる
住宅ローンの事務手数料は各金融機関が自由に設定できるので、金融機関によって金額が異なります。
また多くの金融機関では、
- 住宅ローンでの借入金額に関係なく一定の金額を支払う方式の「定額型」
- ローンの借入金額に対して一定の割合を支払う方式の「定率型」
の2つのタイプの支払方法を採用しています。
定額型 | 定率型 |
---|---|
借入金額に関係なく一律の手数料がかかる(3万円~6万円程度) 定率型と比べて金利が高い(0.1%~0.3%程度) |
借入金額に一定の利率をかけた金額が必要(2%程度に設定している金融機関が多い) 借入金額が大きくなると手数料の負担も大きくなる |
金額だけ比較すると、圧倒的に定額型の方が手数料負担は小さいように思えます。
しかし、適用金利は定額型の方が高いので、借入期間が長期間なら定率型を選択する方が結局手数料の負担は小さくなるのです。
短期間で完済できる見込みがあるなら、定額型を選択する方がいいでしょう。
住宅ローン契約時には事務手数料以外にも費用がかかる!
住宅ローン契約時には事務手数料以外にもいろいろな費用がかかります。
順に見ていきましょう。
保証料
保証会社に連帯保証人代わりになってもらうために支払う手数料です。
住宅ローンの借入金額や返済期間によって保証料の金額は変わります。
保証料は、借入金額1,000万円あたり約20万円かかると考えておきましょう。
金融機関によっては保証料が不要のところもあります。
団体信用生命保険料
一般的な金融機関の住宅ローンは、団体信用生命保険への加入が借入の条件になっています。
団体信用生命保険の保険料は金融機関が負担するので、基本的に契約者がお金を払うことはありません。
ただし、三大疾病特約付き、八大疾病特約付きなど、より保証の範囲の広い団体信用生命保険に加入したい場合は金利が上乗せされます。
ちなみにフラット35は、団体信用生命保険への加入が任意です。
健康上の理由などで団体信用生命保険に加入しないのなら、その分金利が引き下げられます。
火災保険・地震保険
住宅ローンの契約では、火災保険への加入は必須です。
建物の種類や保証内容によって保険料の金額は大きく変わってきます。
金融機関の提携保険会社を利用すると、保険料を割引してくれることがあります。
登記費用
住宅ローンを利用する際には、抵当権設定登記を行わなければなりません。
民間金融機関の住宅ローンでは、登録免許税として借入金額の0.1%を支払います。(2022年3月31日までは軽減税率が適用されます)
登記の手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。
その費用として8万円~10万円程度かかります。
印紙税
住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を結ぶと印紙代が発生します。
住宅ローンの借入金額によって印紙税額は異なり、借入金額が1,000万円超~5,000万円なら印紙税は2万円です。
事務手数料や諸費用を節約する方法
住宅ローン利用時にかかる手数料や諸費用を合計すると、何十万円にもなってしまいます。
これらの費用は節約できるのでしょうか?
事務手数料
住宅ローン事務手数料は金融機関ごとに金額が異なりますので、できるだけ事務手数料が安い金融機関を選択するといいでしょう。
定額型と定率型で迷っているなら、総返済金額がそれぞれいくらになるかを計算してみてください。
金額だけ見ると定額型は手数料が断然安いですが、その分金利が高いことに気づきます。
住宅ローンの借入期間が13年以上なら、定率型の方が総返済額を抑えられるケースが多いです。
保証料
借入金額や返済期間を抑えれば保証料の負担は小さくなります。
あるいは、保証料0円の金融機関の住宅ローンを利用してもいいでしょう。
ただし、保証料0円の住宅ローンは審査が厳しくなる傾向にありますから注意が必要です。
金融機関によっては、保証料を0円にしている代わりに事務手数料を高く設定しているケースもありますので、諸費用の合計を見てどちらが得かよく確認してください。
火災保険
住宅ローンを契約する際には、たいてい不動産会社や金融機関と提携している保険会社を紹介されます。
ですが、提携保険会社の火災保険は不要な特約がついて費用が割高になっていることもあります。
見積もりをよく確認して不要な特約を外せば、保険料を下げることも可能です。
火災保険は、金融機関と提携している保険会社で加入しなければならないわけではありません。
複数の保険会社で見積もりを取って、自分に合った火災保険に加入すれば費用を抑えられます。
団体信用生命保険
民間金融機関の住宅ローンには基本的な団体信用生命保険が無料で付帯しているので、住宅ローン契約時に費用が発生することはありません。
ただし、疾病保証付きの団体信用生命保険に加入すると、0.1%~0.3%程度金利に上乗せされます。
フラット35なら団体信用生命保険への加入は任意ですが、団体信用生命保険は保険料が割高です。
会社の団体生命保険や民間の保険を利用する方が費用負担が少なく済むケースがあります。
ぜひ検討してみてください。
住宅ローン返済中は、契約者に万一のことが起きた時の備えとして充分な保証は確保しておきたいです。
団体信用生命保険料やそれに代わる生命保険料は、必要以上に節約しないようにしましょう。
登記費用
登記手続き時に発生する登録免許税は税金なので減額は不可能です。
規定の金額を支払わなければなりません。
登記の申請手続きは、金融機関が指定する司法書士に依頼することが多いです。
金融機関が指定した司法書士の報酬が高いと感じるなら、自分で探した司法書士に依頼できるか金融機関に交渉してみるのも一つの方法です。
印紙税
印紙税も税金なので減額はできません。
住宅ローン契約書(金銭諸非貸借契約書)に収入印紙を貼り忘れると、本来の印紙税額の3倍の過怠税を請求されてしまいます。
金融機関側がチェックするはずだからと考えず、
- 収入印紙が契約書類に貼付されているか
- 収入印紙に適正に消印されているか
を必ず確認しましょう。
金利・手数料すべて込み!どの銀行の住宅ローンがおすすめ?
金利や手数料、諸費用全て込みで考えた時、どの金融機関の住宅ローンを選ぶのがお得なのか調べてみました。
変動金利
まずは、変動金利の住宅ローンから見ていきます。
じぶん銀行(住宅ローン/全期間引き下げプラン)
金利 0.410%
事務手数料 借入金額×2.2%
保証料 0円
団体信用生命保険 保険料不要
【ポイント】
- がんと診断されたら住宅ローンの残高が半分になる「がん50%保証団体信用生命保険」
- 全てのケガや病気をカバーする全疾病保障
が無料で付帯
0.2%上乗せすればがん100%保障団体信用生命保険に加入できる
住信SBIネット銀行(住宅ローン/通期引き下げプラン)
金利 0.540%
事務手数料 借入金額×2.2%
保証料 0円
団体信用生命保険 保険料不要
【ポイント】
- 住信SBIネット銀行の住宅ローンは無料の団体信用生命保険が非常に充実している
- 病気やケガで働けなくなったらローン残高が0円になる「全疾病保障」
- 女性限定の「がん診断給付金特約」
が無料で付帯
固定金利10年
次に、固定金利10年の住宅ローンのおすすめ商品を紹介します。
みずほ銀行(住宅ローン/全期間重視プラン・ネット専用)
金利 0.80%~1.05%
事務手数料 3万3,000円
保証料 借入金額×2.06%、または金利0.2%引き上げ
団体信用生命保険 保険料不要
【ポイント】
- オプションの「8大疾病補償」は保険料が安さが魅力、月払いで中途解約も可能
- みずほ銀行ネット住宅ローンの10年固定金利は、ネット銀行並みの低金利
ソニー銀行(住宅ローン/新規購入、頭金10%以上)
金利 0.850%
事務手数料 4万4,000円
保証料 0円
団体信用生命保険 保険料不要
【ポイント】
- 新規購入で自己資金10%以上を用意できれば金利の引き下げがある
- 「住宅ローン」タイプは、事務手数料が非常に安く抑えられている
固定金利35年
最後に、固定金利35年の住宅ローンを見ていきましょう。
住信SBIネット銀行(フラット35S/保証型・頭金20%以上)
金利 0.920%
事務手数料 借入金額×2.2%
保証料 0円
団体信用生命保険 保険料不要
【ポイント】
- 2019年7月からフラット35(保証型)の取り扱いを開始
- 住宅購入価格の20%以上の金額を自己資金として用意できれば、より有利な条件で借り入が可能
- 「全疾病保障」、「がん診断給付金特約」が金利の上乗せなしで付帯
ARUHI(スーパーフラット8S/金利Aプラン)
金利 0.950%
事務手数料 借入金額×2.2%
保証料 0円
団体信用生命保険 保険料不要
【ポイント】
- ARUHIはフラット35の取り扱いシェア10年連続ナンバーワン(2010年~2019年)で安心
- 団体信用生命保険に加入しなければ0.28%の金利引き下げあり
おわりに
住宅ローンを選択するにあたって、金利はもちろん大きなポイントとなるでしょう。
しかし、住宅ローンにかかる費用を抑えたいのなら、金利だけではなく手数料やその他の費用にも目を向ける必要があります。
必要な保障を確保しつつ無駄なコストを削るのは骨が折れますが、はじめによりよい選択をすれば費用面での大きな節約が期待できます。