皆さんは日本が地震大国といわれていることをご存知でしょうか?
海外に比べても日本は地震が非常に多いです。
「社会人になって収入も上がってきたし、マイホームを買おうかな」と思う方もいますよね。
マイホームを一括で購入できる方は数少ないと思います。
多くの方が住宅ローンを利用してマイホームを購入するのではないでしょうか。
マイホームを買ったのに地震がきて倒壊したら、残った住宅ローンはどうなるの?と思う方もいますよね。
ここでは地震で住宅が倒壊してしまった場合は住宅ローンがどうなるかということについて解説していきます。
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Contents
地震で住宅が倒壊したら住宅ローンってどうなるの?
結論からいうと、地震で住宅が倒壊した場合、残った住宅ローンを返済しなければなりません。
地震を理由に残った住宅ローンの返済が免除されることはありません。
これは地震に限定されるわけではないです。
火災等の予期せぬ災害に見舞われて住宅が倒壊した場合にもローンの返済義務があります。
地震で返済しなければいけない理由とは?
先程お話したように地震で住宅が倒壊した場合でも住宅ローンは残ります。
住宅ローンは住宅購入時の支払い金額なので、必ず返済しなければいけません。
住宅以外の物品を購入した時も同じですよね?
例えばあなたがパソコンを月々の分割支払いで買ったとして、まだ残債が5万円あるとしましょう。
ある日そのパソコンを落としてしまって壊れたとしても残りの5万円は支払わなければいけませんよね。
住宅でも同様です。
地震等の倒壊の場合には残った住宅ローンの返済免除はありませんが、様々な救済措置はあります。
救済措置は2つ
救済措置は2つあります。
1つ目は給付金制度を利用するということです。
給付金制度を利用することで残った住宅ローンの返済を少しでも緩和することができます。
2つ目は保険に加入して保険金で補うということです。
それでは2つの救済措置について解説していきますね。
給付金制度を利用する
給付金制度で残った住宅ローンの返済を緩和することが可能です。
皆さんの中には「被災者生活再建支援法」という制度を聞いた方もいるのではないでしょうか。
災害時では被災者生活再建支援法による住宅再建の給付金を得られる可能性があります。
給付金の金額は最高300万円まで出ます。
住宅が全壊の場合は300万円だけではまかないきれませんよね。
壊れた部分の改修だけでも多額の改修費用が掛かります。
解体後に新築を建設するとしても同様に多額の建築費用がかかりますよね。
再建というよりは生活補助金として捉える方が良いかもしれません。
給付金は世帯人数や住宅の被害状況等によって給付される金額が異なります。
一律で300万円の給付金が手に入るわけではないので注意しましょう。
保険に加入して保険金で補う
そのほかに保険に加入して保険金を補うという方法もあります。
よく火災保険や地震保険という言葉を耳にしますよね。
忘れてはいけないことが保険は事前に入っておかなければならないということです。
地震が起きて住宅が崩壊したから保険に入ろうとしても保険料はもらえません。
事前に保険に入っておきましょう!
次に保険について簡単に解説していきますね。
地震保険とは?
地震保険とは地震・噴火・津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出による損害を補償する保険のことです。
地震を原因とする火災は基本的には地震保険でしか補償されないので注意が必要です。
地震保険は単体の保険ではありません。
火災保険とセットで加入する保険になります。
地震は自然災害でもあり、いつどのタイミングで発生するか分かりません。
万が一に備えて保険に入っておくことをおすすめします。
地震保険の説明をしましたが、次に気になることは支払われる保険料ですよね。
「地震保険に入ったほうが良いとは思うけど、実際に支払われる保険料っていくらなの?」と思う方がほとんどだと思います。
それでは地震保険の保険料についてみていきましょう!
地震保険で支払わられる保険料ってどれくらい?
地震保険で支払われる保険料は火災保険の30%~50%です。
地震・噴火・津波等の被害規模は火災の場合よりも大きくなると予想されています。
そのため、政府が再保険します。
政府が再保険するという部分は安心ですね。
保険金支払金額は火災保険の30%~50%の範囲内で保険加入時に設定します。
建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限となっています。
この金額と割合でいうとローンの返済には不十分な金額ですよね。
地震保険の自動継続とは?
火災保険は1年~5年ごとに自動継続される契約です。
しかし、元となる火災保険は特約を付けなければ自動契約にはならないのです。
火災保険の更新を忘れるとセットで契約している地震保険も自動的に解約になるため注意してくださいね。
解約になると、保険料の支払いもされません。
こうならないためにも、入っている地震保険がしっかり更新されているかを確認しておきましょう。
地震保険は保険料金支払い期間が短い
地震保険の特徴は支払い期間が短期間であるということです。
なぜかというと損害査定が簡素化されているため、被災後の支払いまでの期間が短いです。
支払い期間が短かった例として東日本大震災が挙げられます。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では1兆2800億円の総支払保険料の内、1兆円が発生して3カ月以内に支払われました。
非常に大きな金額ながら、支払い期間はとても早いですよね。
地震保険は地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的としています。
保険金は修繕費等の実費に対して支払われるだけでなく、支払われた保険金を修繕費以外にも使用できることも地震保険の特徴ですね。
万が一のためにも地震保険に加入することをおすすめします
もし地震保険に未加入ならすぐにでも加入を検討しましょう。
地震による被害で所有している住宅が倒壊してしまった場合に補助金の取得が可能です。
ただし、被害状況によって出される金額が異なります。
補助金は最大でも300万円までしか取得できません。
住宅ローン完済に向けて300万円という金額ではまかないきれませんよね。
少しでも負担額を減らすためにも地震保険の加入をおすすめします。
ここでは地震保険の加入をおすすめする理由を深堀していきます。
火災の被害でも火災保険が適用されない!
「火災の被害で火災保険が適用されないってどういうこと?」と思う方も多いですよね。
火災保険に加入していても地震や噴火、地震で発生した火災で被害を受けた場合、火災保険が適用されません。
高額な火災保険に加入していたとしても地震保険に加入していなければ保険料を受け取ることができないのです。
地震による火災等で半焼または全焼した場合は火災保険金5%が支払われるという特約はほとんどの損害保険会社の商品で付加しています。
5%の保険料では全壊・半壊した住宅の改修工事費用にも満たないですよね。
地震保険に加入していればこのような時でもしっかりと保険料を受け取ることが可能です。
おすすめの地震保険会社ってあるの?
ここまで万が一の時に備えて皆さんに地震保険の加入をすすめてきました。
「それならおすすめの地震保険会社を教えてよ」という方もいますよね。
しかし、地震保険会社におすすめの会社はないです。
その理由について解説していきますね!
地震保険はどこも変わらない
結論から言うと、地震保険会社はどこも変わりません。
地震保険は政府と民間の保険会社が共同して運営している公共性の高い保険です。
政府と民間での共同運営のため、どこの保険会社で加入しても保険料や補償内容に差がありません
地震保険は火災保険とセットでしか入れないという特徴があります。
地震保険のみ入るという単独加入はできません。
必ず火災保険とセットで保険に加入する必要がありますので注意しましょうね。
火災保険とセットで加入することとなるので、火災保険の補償内容や保険料を重視して選ぶようにしましょう。
地震の被害を補償する「地震補償保険」であれば単独で加入することも可能です。
火災保険の特約で異なることも
火災保険の特約で地震保険に上乗せした補償を受けられる保険会社もあります。
地震保険の保険金額(保険金支払の上限額)は火災保険の保険金額の30%~50%の間で定めることとなっています。
つまり、最大でも50%の補償しか受けられないということになりますね。
一部の保険会社では地震保険の最大50%の補償に上乗せして補償を受けられる特約がある会社も。
そのため、特約についてはしっかりと確認しておきましょう。
建物の再建に必要な金額を保険金として受け取りたいという方もいますよね。
特約がある保険会社では火災保険・地震保険に加入するか、別途地震補償保険を契約するかする必要があります。
ただし、補償を手厚くするとそれ相応に保険料も高くなるため、コストを重視するか内容を重視するかはあなた次第です。
地震共済は共済ごとに違う
先程説明したように地震保険の内容はどこの会社でもほとんど変わりません。
しかし、地震共済は共済ごとに異なります。
共済の特徴は掛け金が安いということです。
一方でサービス内容や補償内容は保険の方が充実しています。
コスト重視か内容重視かという違いですね。
共済の保障は火災保険や地震保険で受けられる補償と比べて範囲や上限額が小さいこともあります。
共済と保険を比べて、自分の目的に合った方を選びましょう。
地震保険の注意点
工場、事務所等の住居として使用されていない建物は地震保険の対象外です。
店舗併用住宅、事務所併用住宅等は地震保険の適用が可能です。
また、有価証券とされている物品は地震を原因として火災で燃えた場合、地震保険では保険対象外になります。
地震保険を利用する際はどの範囲までが対象なのかということを確認しておきましょう。
地震保険には割引がある
皆さんは地震保険には割引制度があることをご存知でしょうか?
「保険に割引なんてあるの?」という方も多いですよね。
地震保険に割引はあります!
ちなみに地震保険の割引額は高くないので、そこまで期待しないほうがよさそうですね。
割引の種類は以下の3つです。
- 免振建築物割引
- 耐震等級割引
- 建築年割引
条件によっては最大50%の割引を受けられることもあります。
それでは割引の種類について簡単にご紹介しますね。
免振建築物割引
まずは免振建築物割引です。
免振建築物割引とは「免震建築物」の基準に該当する建物である場合に適用される割引制度です。
地震保険4つのうち最も割引率が高いという特徴があります。
2007年10月1日以降、2014年6月30日までに保険の始期がある契約については30%の割引率となります。
2014年7月1日以降に保険の始期がある契約については50%の割引率と定められていますね。
保険開始日によって割引率が異なるため注意が必要です。
耐震等級割引
次に耐震等級割引の説明です。
耐震等級割引は住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定する評価方法基準(平成13年国土交通省告示第1347号)に定められた耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)である場合に適用される割引です。
国土交通省の定める「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針」に定められた耐震等級を有している建物についても対象となりますね。
保険料の割引率は耐震等級ごとに異なります。
割引率は以下の表のとおりです。
耐震等級 割引率
3 30%
2 20%
1 10%
耐震等級による地震保険の割引を目指す際は対象となる住宅の耐震等級を調べておきましょう。
建築年割引
建築年割引とは地震保険の契約を結ぶ際に保険の対象となる建物が1981年6月1日以降に新築されたものであれば適用される割引になります
建築年割引の要件に該当する場合、地震保険料の10%の割引が適用されます。
家財保険も検討しよう
皆さんは「自然災害債務整理ガイドライン」をご存知でしょうか。
自然災害債務整理ガイドラインとは自然災害で被害を受けた際に住宅ローンの返済ができない方を対象として債務処理のルールをまとめたものです。
このガイドラインを利用すると受け取れる保険金が自由財産の上限額500万円に制限されます。
それ以上の金額は金融機関に支払うことになります。
地震保険加入時の家屋500万円、家財250万円の保険料支払いと設定しておくことで全額を手元に残すことが可能です。
このような制度を利用して事前に備えておくことが大切ですね。
いざとなったら土地売却
「何が何でも住宅ローンを完済したい」と思う方もいますよね。
そのようなときは土地売却という方法もあります。
住宅の場合は倒壊してしまうと住宅としての価値は失われます。
半壊しても改修工事や補修工事が必要となり、基の価値からはほど遠い状態になりますね。
しかし、土地の価格は住宅のように0にはなりません。
地震が原因で土地価格の変動はあるでしょう。
まずは不動産会社に土地の価値を調べてもらう必要がありますね。
査定の際は一社のみに依頼するのではなく複数社に依頼しましょう。
土地価格の査定は査定する会社によって査定額が異なります。
一社のみの依頼だと損する可能性もあります。
必ず複数社依頼してできるだけ査定が高い会社を利用しましょう。
現在では不動産一括査定サービス等もあるので活用してみてはいかがでしょうか。
自然災害債務整理ガイドラインを利用しよう
地震や台風等の自然災害は後を絶ちません。
予期せぬ自然災害の時のためにも損害保険等に加入しますよね。
しかし、保険料金だけでは被害額をまかないきれない方も多いです。
損害保証を超えて生活が再建できない方のための救済目的でつくられたもの。
それが自然災害債務整理ガイドラインです。
自然災害債務整理ガイドラインは2015年12月に策定されました。
運用開始は2016年4月1日です。
対象となる債務は住宅ローンだけでなく自動車ローンやカードローンも含まれます。
金融機関との合意でローンが減免される特徴もありますね。
減免例は以下の通りです。
- 住宅金融支援機構の住宅ローンを利用している個人に対して支払いの猶予や返済期間の延長、あるいは支払い猶予期間中の金利引き下げ
- 自宅が完全に焼失した場合、残存期間は「住宅ローン減税」を継続
- 融資金利の引き下げや返済期間の延長が可能な公的融資(災害復興住宅融資)を住宅金融支援機構から利用可能
上記に挙げられることが減免例になります。
融資金利の引き下げについては住宅再建希望者に対して少しでも返済負担が軽減できるように考えられたルールになります。
ここでご紹介したルールはあくまで減免措置です。
ローンの免除ではないので注意してくださいね。
自然災害債務整理ガイドラインについて解説してきました。
「ガイドラインの内容は理解できたけど、運用の手順ってどうやってやるのか分からない」という方のためにガイドライン運用手順をご説明します。
自然災害債務整理ガイドライン手順
ここでは簡単に自然災害債務整理ガイドラインの手順についてご説明していきます。
ガイドラインの手順は以下の通りです。
- 手続きの申し出
- 手続き依頼
- 債務整理の申し出
- 書類作成
- 書類提出・説明
- 特定調停の申立
- 調停条項確定
手順は大きく分けて7段階に分かれています。
それでは各手順を簡単に解説していきますね!
手続きの申し出
初めにおこなうことが手続き着手に伴う申し出です。
手続きの際は最も多額のローンを借りている金融機関等にガイドラインの手続きの着手を希望することを申し出る必要があります。
受付窓口については当該金融機関に確認してください。
金融機関から借入先や借入残高等の詳細状況を確認します。
手続き依頼
次に行うことが手続き依頼です。
ここでは地元弁護士会等を通じて手続き依頼を行います。
弁護士、公認会計士、税理士、不動産鑑定士に依頼ができますが、弁護士以外は一部業務を実施できないため、依頼する際は注意しましょう。
債務整理の申し出
続いて債務整理の申し出を行います。
金融機関等に債務整理を申し出て、申出書等の必要書類を提出します。
書類作成の際は登録支援専門家の支援を受けることも可能です。
債務整理の申出後は債務の返済や催促が一時的に停止となります。
書類作成
次に行うことが書類作成です。
ここでいう書類作成とは「調停条項案」をいいます。
登録支援専門家(弁護士、公認会計士、税理士、不動産鑑定士)の支援を受けつつ、金融機関等との協議を行って書類を作成します。
書類提出・説明
調停条項案が完成後に「登録支援専門家」を経由して金融機関等に書類の提出と説明を行います。
金融機関等は提出された書類をもとに1か月以内に同意するか否かの回答を行います。
特定調停の申立
債務整理の対象にしようとする全てに借入先から同意が押された場合に簡易裁判所に特定調停を申し立てます。
申し立ての費用は債務者が負担します。
調停条項確定
特定調停手続きで調停条項が確定すれば債務整理が成立します。
ここまで長い道のりでしたね!
まとめ
地震等で所有する住宅が倒壊した場合、残った住宅ローンは全て返済しなければなりません。
残った住宅ローンは免除にはならないので、あらかじめ地震保険等に加入して救済措置の対策を取っておきましょう。
地震保険は火災保険とセットで入る必要があります。
地震保険の料金はどの会社でもほとんど変わりません。
自分が入りたい会社で入ることをおすすめします。
自然災害はいつくるか分かりません。
保険は被災後に入っても適用されないので、あらかじめ入っておきましょう。