住宅ローン減税は一般的に所得税から還付が行われるとされていますが、別ケースとして住民税から還付される場合もあります。
減税制度では支払った所得税から税金が戻ってくるはずなのに、よく見ると全額戻って来ていないという場合は、上記のケースに当てはまっている可能性もあります。
きちんとした手続きを毎年行っているのであれば、所得税を支払ったのに住宅ローン減税での還付がされないということは決してありません。
今回は住民税から住宅ローン減税が行われる仕組みや、いつ控除がされるかなどについて詳しく解説していきたいと思います。
※本ページにはPRが含まれます。
Contents
所得税と住民税から住宅ローン減税が行われる仕組み
住宅ローン減税では住宅ローンで物件を購入した場合、10年間の期限つきで年末のローン残高の1%が支払った所得税から戻ってきます。
また所得税だけでなく実は住民税からもう控除されるケースがありますので、いつからどのようにして控除となるのか詳しく解説していきたいと思います。
それぞれの税金による控除はいつどのような流れで行われるのか
基本的に住民税ローン減税では所得税から控除されるという仕組みになっていますが、所得税の場合その年に得た1月1日から12月31日までの収入に応じて、会社の年末調整で税金の徴収が行われます。
対して住民税の場合は前年度の収入に応じて、翌年度の6月以降に給与から徴収されるという仕組みになっています。
それぞれ徴収された税金から控除が行われるのですが、時期が異なるためにちょっとわかりづらいと思います。
住宅ローン控除しきれなかった際の調整を住民税で行う
住宅ローン減税では所得税から控除されるという仕組みになっています。
しかし支払った所得税が控除額より少なくて引ききれないという場合があり、こういうケースでは以下のように控除を行って対処します。
たとえば2016年度の所得税が少なくて引ききれなかった場合は、2017年度の6月から2018年5月にかけて支払う住民税から控除されます。
このように前年度で控除しきれなかった分を、翌年度以降の住民税から住宅ローン減税を行うことで調整を行うのです。
住民税から控除された場合は所得税と何か違いはある?
このようにして所得税から住宅ローン控除が引ききれなかった場合でも、住民税からきちんと還付される仕組みになっているのですが、所得税とは異なる点も存在するのでその点についても解説していきたいと思います。
住宅ローン減税しきれない場合でも特に申請する必要はない
所得税から住宅ローン減税による還付を受ける際には、確定申告や年末調整などで申請手続きを行います。
しかし住民税から住宅ローン減税を受ける場合は特に申請手続きを行う必要がありません。
会社勤めをしている人であれば年末調整のときに、毎年と同じように住宅ローンの残高証明書と申告書を提出すれば、あとは税務署から自治体に通知され住民税から住宅ローン控除が行われます。
住宅ローン減税がされたことを確認する方法
上記のように所得税から住宅ローン控除が引ききれなかったとしても、特に申請する必要が無いのですがどのように確認すれば良いのかという問題があります。
住民税から控除が行われている場合は、納付書に収められている書類から確認することができます。
納付書には課税明細や6月の給与明細と一緒に課税決定通知書が同封されています。
こちらの課税決定通知書には住民税から、いくら住宅ローン減税が行われたのか明記されていますので、金額が気になる方はこちらで確認してみてください。
誰もが最大金額での住宅ローン減税を受けられるわけではない
住宅ローン減税は所得税あるいは住民税から一般住宅で毎年最大40万円、認定住宅であれば毎年最大50万円の控除を受けることができるとされています。
このように聞くと毎年40万円あるいは50万円の控除を受けられるのかと思いがちですが、実際には誰もが最大限度額で控除を受けられるわけではありません。
最大金額での控除を受けるための条件とは
住宅ローン減税を最大限度額で受けるにはいくつかの条件があります。
まず年末住宅ローンの残高が一般住宅では4,000万円以上、認定住宅は住宅ローン残高が5,000万円以上である必要があります。
最初のうちであればまだしも10年以上に渡って、4,000万円以上もの残高が残る住宅ローンを組むというのはほとんど無いと思われます。
住宅ローン減税では支払った分の税金に応じて控除が行われます。
たとえばですが所得税を10万円支払ったのであれば、それ以上の控除が行われることはありませんので、たとえ4,000万円以上の住宅ローン残高があったとしても、還付によって受け取れる金額は10万円です。
ちなみに自分がいくら所得税を支払ったのかは、源泉徴収票の右側にある源泉徴収税額の欄で確認することができます。
住民税にも控除金額の上限が設定されている
また住民税から受けられる住宅ローン減税についても、上限があるということを覚えておきましょう。
所得税で控除しきれなかった場合の最大控除金額は最大13万6500円となっています。
前述したように所得税から引ききれなかった場合は、住民税から住宅ローン減税を行うということになっていますが、上限があるので控除しきれなかった金額が全て戻ってくるとは限りませんので留意しておきましょう。
住宅ローン減税で戻ってくるのは最低限程度の金額
今回は住民税からいつ住宅ローン減税が行われるのかとその仕組みについて解説させていただきました。
たとえ所得税から控除しきれなかった場合でも、住民税から減税されるのでその分税金をお得にすることができます。
ただし住宅ローン減税の金額には上限金額もそれぞれ決まっているので、満額で還付を受けるというのは至難の業です。
控除で税金が戻ってくると言っても、あくまで戻ってくるのは最低限の金額と想定しておいた方が無難であると言えるでしょう。
借り換えをした場合住宅ローン減税の期限はどうなる?
住宅ローン減税の利用で注意しておきたいのが、控除を適用している最中に借り換えを行った場合です。
前述のとおりこちらの制度による控除は10年間のみで、いつまでも利用することができないということについてお伝えしましたが、もう一つ期限を更新することはできないというルールがあります。
住宅ローンの借り換えを行うと別のローンと改めて契約することになるので、住宅ローン減税の期限も改めて最初から受けられると思いがちですがそうではありません。
借り換えで控除期間が延長されることはない
たとえば住宅ローン減税の残り期間が7年ある状態で、別の住宅ローンに借り換えを行ったとします。
その場合は借り換え後に適用できる控除期間は、そのまま7年間となり新たに1年目からの控除にはなりません。
借り換えを行う際には控除を受けられる期間がいつまで残っているかを把握した上で計画を練りましょう。
このように借り換えを行っても住宅ローン減税では、残り期間がそのままとなりますので別のローンに乗り換えるなら、早めに決めて借り換えを行うのが肝要となります。
住宅ローン減税の控除額がわかるシミュレーション
給付金額のシミュレーション結果の下に続けて住宅ローン控除についても確認するというタイトルで住宅ローン減税の控除額を試算できる画面が現れます。
まず住宅ローンの情報でいくら借り入れたのか、ボーナス払いはいくらであるのか/金利のパーセンテージ/借り入れ期間/返済開始の月を入力していきます。
ここでは金利については固定金利と仮定していの計算となっているほか、借り入れ期間は10年以上であることが前提となっています。
またこちらのシミュレータでは元利均等返済方式での概算となります。
住宅ローン減税の控除金額が表示される
以上の必須項目を入力して計算するボタンをクリックすると、住宅ローン減税で還付される金額が試算されます。
こちらの試算結果は初年度の控除金額と、10年間で受けられる控除金額が表示されます。
住宅ローン減税のシミュレーション結果はあくまで参考程度に留めておこう
今回は住宅ローン減税の控除金額が決まる条件と簡易的なシミュレーション方法についてご紹介させていただきました。
上記でお伝えしたように住まい給付金のシミュレータを利用することで簡易的に、住宅ローン減税でいくらの還付を受けることができるのかを試算することができます。
とはいえこちらはあくまで試験的な意味での概算であることを忘れないようにしましょう。
実際の還付では異なる金額となる可能性があるので、住宅ローンの返済計画を立てる上での目安金額として認識しておくようにしてくださいね。