公務員は住宅ローンで優遇される?審査の注意点を解説

家の模型を持っている女性

安定した職業の代表格といえば、何といっても公務員でしょう。

公務員は勤務先が倒産する心配がなく収入も安定していて、勤務期間に応じた退職金も保証されているため、住宅ローン審査では断然有利だといわれます。

そうしたことから、

「公務員は住宅ローンの金利が優遇される」
「公務員なら必ず住宅ローン審査に通る」

という話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?

今回は、公務員は本当に住宅ローンで優遇されるのか、公務員が住宅ローン審査を受ける際にはどのようなことに気を付けるべきかなどについてリサーチしました。

公務員の人はぜひチェックしてみてください。

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公務員は住宅ローンで優遇されるって本当?

以前は、公務員専用の住宅ローン、あるいは務員が金利面での優遇される住宅ローンを扱う金融機関がありました。

しかし、現在は公務員向けに特別に金利優遇している住宅ローンは見当たりません。

ただし、公務員はもともと信用力が非常に高いので、特に公務員向けの優遇サービスが設けられていなくても住宅ローン審査では有利に働くことに変わりはありません。

公務員が住宅ローンで優遇されやすい理由

住宅ローンの審査を受ける際には、年収や雇用形態、勤務先といった属性が重視されます。

金融機関は、住宅ローン申込者が将来にわたって確実に返済していけるだけの安定した収入を得ているかどうかを属性でチェックしているからです。

公務員は属性が非常に高い職業なので、他の職業の人と比べて住宅ローン審査に通りやすいです

なぜ公務員は属性が高いのでしょうか?

雇用が安定している

誰もが知っている大企業でも、民間企業である以上倒産する可能性はゼロとはいえません。

一流企業に勤務しているサラリーマンでも、突然職を失ってしまうことがあります。

ところが、公務員は業績の悪化によって勤務先が倒産したり解雇されたりすることはありません。

よほど重大な規律違反をしない限り、雇用は定年まで保証されています。

収入が安定しているという点では、大手企業に勤務しているサラリーマンよりも公務員の方がはるかに有利なのです。

ボーナスが確実に支払われる

公務員の年収は民間企業の給与を基準に設定しており、民間企業の平均程度の給与が常に保証されています。

また、ボーナスも民間企業と同程度の水準になるように支給額が決定されています。

民間企業では業績によってボーナスの金額が増減することがありますが、公務員は業績によってボーナスの額が変動することはありません。

民間企業と同程度の給与と必ず決まった金額のボーナスが保証されていることは、公務員の大きな強みだといえるでしょう。

退職金と年金が約束されている

公務員は、ボーナスと同様退職金も保証されているため、退職金で住宅ローンの残債を支払うことを返済計画に織り込むことが可能です。

民間企業は、退職金制度を設ける義務がありませんので、勤務先によっては退職一時金をもらえないケースもあります。

また、退職金制度があっても、業績悪化や倒産によって退職金が支給されないケースも想定されます。

さらに、民間と比べて非常に手厚いといわれる公務員の共済年金は、2015年に厚生年金に統一されましたが、一般企業のサラリーマンと

比べて依然恵まれた状況にあることに変わりはありません。

以上のことから、公務員は民間企業のサラリーマンよりも収入が安定していて、返済が滞る可能性が低いと判断されやすいのです。

公務員が住宅ローンを利用するときにどの程度優遇される?

では、実際公務員が住宅ローンを利用する場合には、どのような優遇があるのでしょうか?

住宅ローン審査に通過しやすい

公務員の勤務先は国や地方公共団体です。

普通に勤務していれば、国や地方公共団体が破綻しない限り職を失うことはほぼあり得ません。

給料やボーナスがもらえなくなってしまう危険性がないのですから、貸し倒れリスクが非常に低いといえます。

金融機関は、貸し倒れリスクの低い人に住宅ローンを利用してもらいたいと考えています。

収入の安定性が抜群にいい公務員は、金融機関が最も融資をしたい相手ですから、自然、住宅ローン審査に通過しやすくなるのです。

住宅ローンの適用金利が低くなりやすい

以下のように住宅ローンの適用金利に幅がある場合、公務員なら返済が滞るリスクが低いですから、金利優遇を受けられる可能性があります。

融資期間 適用金利
10年超~35年以内 1.25%~1.45%

公務員向けの特別な金利が設定されていなくても、適用金利の下限金利を適用してもらいやすいのです。

住宅ローンは借入金額が大きく借入期間も長いので、たとえ0.2%程度の金利優遇でも総返済額が100万円以上違ってきます。

金利優遇の効果は非常に大きいといえるでしょう。

公務員が住宅ローンを利用する場合の注意点

1の指をしているスーツの男性

公務員が住宅ローンで優遇されやすいのは確かですが、公務員だからといって必ず優遇してもらえるわけではありませんし、必ず住宅ローン審査に通過するわけでもありません。

公務員でも住宅ローンに通過できないことも…

住宅ローン審査は、属性だけで審査の可否を判断しているわけではありません。

公務員の収入の安定性が抜群に良くても、それ以外の審査基準を満たさなければ住宅ローン審査には当然通過できないでしょう。

信用情報に問題がある

過去にローンやクレジットカードの支払いを長期延滞したことがある、あるいは支払いができなくなって債務整理をしたことがある場合は、公務員であっても住宅ローン審査に通過できない可能性が高いです。

長期延滞や債務整理をすると、5年~10年間は信用情報に事故情報が登録され続けてしまうからです。

金融機関は住宅ローンの審査時に必ず申込者の信用情報をチェックしています。

個人情報に事故情報が登録されている間は「ローンの支払いをきちんとできない人」と判断されるため、住宅ローン審査には通過できません。

住宅ローン以外の借り入れが多くある

信用情報を見れば、どういった借入先からどのくらいの金額を借り入れしているかを簡単に確認できます。

住宅ローンの審査では返済比率が非常に重視されているので、返済比率が基準を超えると審査通過は難しいです。

年収比率とは、すべての借り入れの返済額が年収に占める割合を指します。

住宅ローン以外に借り入れが多くあると返済比率が高くなり、審査に不利になるのです。

一般には、返済比率が30%を超えると住宅ローンの審査に通過しにくくなります。

公務員であっても、返済比率が高すぎれば審査には通過できません。

健康状態に問題がある

住宅ローンを利用する場合には、団体信用生命保険への加入が義務付けられていることも多いです

健康状態に問題があって団体信用生命保険に加入できなければ、いくら公務員であっても保険加入が義務付けられている住宅ローン審査には通過できません。

健康状態がよくない場合は、団体信用生命保険に加入しなくても審査申込可能な住宅ローンを利用しましょう。

自分に合ったローンを選ぶ

公務員が利用できる住宅ローン制度はいろいろあります。

銀行の住宅ローン以外にも目を向けて、自分に合ったローンを選ぶようにしてください。

共済貸付

公務員ならではの借入先として、共済貸付が挙げられます。

共済貸付のメリット 保証料・事務手数料が不要。抵当権の設定も不要

共済組合は金融機関ではないので、信用情報の照会が行われない

将来確実に支払われる退職金を担保にしているため、審査はそれほど厳しくない

共済貸付のデメリット 借入限度額が低く、借入期間が短い

民間金融機関の住宅ローンと比べて金利が高め

定年時に退職金で一括返済しなければならない

共済貸付のメリット保証料・事務手数料が不要

信用情報に問題があると、金融機関の住宅ローン審査には通過できません。

しかし、共済貸付なら信用情報の照会が不要です。

信用情報に自信がない公務員の人は、共済貸付を利用するのがおすすめです。

以前は共済貸付の金利は非常に高かったのですが、2018年に金利が1.26%まで引き下げられ、かなり利用しやすくなりました。

ろうきん

公務員なら銀行住宅ローンや共済貸付の他に、ろうきんの住宅ローンも利用できます。

ろうきんのメリット 非営利組織なので、金利が低く事務手数料が安い

フルローンを利用できる

繰上返済手数料が無料

団体信用生命保険が無料

ろうきんのデメリット 店舗が少なく、ローン申込手続きに手間がかかることも審査に時間がかかる

ろうきんの住宅ローンは、審査に少々時間がかかっても金額の大きなローンをお得に利用したい人におすすめです。

ただし、各ろうきんによって適用金利など条件が異なるので注意が必要です。

住宅ローンを利用すると住宅手当がもらえなくなる

公務員は、賃貸物件に居住していると住居手当が支給されます。

住居手当は、国家公務員の場合は月額最大28,000円です。

また、地方公務員の住宅手当は、通常は国家公務員の手当の金額を上回らないように設定されています。

この住宅手当、家賃月額59,200円以上の賃貸物件に住んでいれば、上限の28,000円が支給されます。

家賃が60,000円だとすれば実質32,000円で住むことができるのです。

さらに、民間の賃貸物件ではなく公務員宿舎に住めばさらに住居費用を抑えることも可能ですから、かなり魅力的な制度だといえます。

ただし、住宅ローンを利用すると住宅手当はもらえなくなってしまいます。

住居を購入することのメリットやデメリット、また、賃貸物件や公務員宿舎に住むことのメリットやデメリットについてしっかりと検討し、お得な方を選びましょう。

おわりに

公務員は属性が高いため、とにかく住宅ローン審査に通過しやすいです。

信用情報に問題さえなければ、住宅ローン審査自体はスムーズに進んでいくでしょう。

ただ、公務員の場合は利用できる制度の選択肢の幅が広いですから、自分に合った制度やローンを賢く活用することを優先してください。

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