住宅購入は一生に一度の大きな買い物といわれます。
そのため、住宅購入時には住宅ローンを利用するのが一般的です。
住宅ローンを利用するためには、当然のことですが審査を受ける必要があります。
もちろん、何千万円ものお金を借りるわけですから、審査に申し込みをしてその場ですぐにお金を借りるというわけにはいかないでしょう。
ただ、審査期間があまりに長引くと、果たして契約日に間に合うのか、もしかしたら審査自体に通過できないのではないかと不安になってしまいます。
住宅ローンの審査って、いったいどのくらいの期間かかるのでしょうか?
今回は、住宅ローンの審査期間について調べてみました。
住宅ローン審査の流れや審査期間を短くするコツなども、あわせて解説していきます。
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Contents
住宅ローン審査にはどのくらいの時間がかかる?
住宅ローンの審査は、事前審査と本審査の2段階に分かれています。
両方の審査を通過して住宅ローン契約を結んだ後、はじめて融資が実行されるのです。
事前審査
住宅ローンの事前審査にかかる期間は、1週間~10日間程度です。
住宅ローン審査はチェック項目が非常に多いので、申し込み者全員を本審査でじっくり審査するのは、金融機関側にとってかなり負担が大きいです。
そのため、住宅ローンを返済していく能力が申込者にあるかどうかを、事前審査で大まかに確認していきます。
- 借入時年齢と完済時年齢
- 雇用形態
- 年収
- 勤続年数
- 返済比率
- 借入状況や返済状況
- 健康状態
など
本審査
住宅ローンの本審査にかかる期間は、1週間~2週間程度です。
事前審査に通過したら、本審査に進みます。
審査する項目は事前審査とだいたい同じですが、本審査では申込者の信用状況や返済能力についてさらに詳しくチェックしていきます。
もちろん、事前審査に通過できたからといって本審査に通過できるとは限りません。
事前審査申し込みから本審査の結果連絡までにかかる期間はおよそ3週間程度です。
その後、住宅ローン契約を結び融資が実行されるまでにさらに2週間~1ヶ月程度の期間がかかります。
事前申し込みから融資の実行までに要する期間は、1ヶ月~2ヶ月程度と考えておいてください。
金融機関によって住宅ローン審査に要する期間は異なる
住宅ローン審査にかかる期間は、事前審査と本審査合わせて約3週間程度が目安です。
もちろん、申込者の個別の状況によって審査期間に違いが出てきますし、金融機関によっても審査期間は異なります。
そこで、金融機関の種類によって、住宅ローンの審査期間がどの程度異なるのか調べてみました。
住宅ローンの審査期間~一般的な銀行
金融機関名 | 事前審査 | 本審査 |
---|---|---|
三井住友銀行 | 2日~3日程度 | 1週間程度 |
三菱UFJ銀行 | 翌日~4日程度 | 1週間~10日程度 |
みずほ銀行 | 最短1分 | 1週間~10日程度 |
※事前審査はネット審査を選択した場合(みずほ銀行はAI審査)。
メガバンクや地方銀行などの一般的な銀行の住宅ローン審査の手続きは、店頭かネットいずれか好きな方を選択できることが多いです。
事前審査申し込みから融資実行までに要する時間の目安は、店頭で手続きをする場合とネットで手続きする場合とで多少異なってきます。
審査手続き | 融資実行までにかかる期間 |
---|---|
店頭での手続き | 1ヶ月程度 |
ネットでの手続き | 1ヶ月半~2ヶ月程度 |
店頭での手続きの方が融資実行までにかかる時間が短いのは、対面での相談や聞き取りをすることで申込者の情報が担当者に伝わりやすいからという事情が関係しています。
住宅ローンの審査期間~ネット銀行
金融機関名 | 事前審査 | 本審査 |
---|---|---|
楽天銀行(金利選択型) | 5日~10日 | 7日~14日 |
イオン銀行 | 最短当日~7日 | 1週間~2週間 |
ソニー銀行 | 2日~6日 | 7日~10日 |
ネット銀行の住宅ローンは、事前審査、本審査とも審査機関は比較的短いです。
ただし、本審査に必要な書類や契約に必要な書類などを郵送でやり取りするため、その分時間がかかる傾向にあります。
ネット銀行だと審査期間がグッと短縮できるイメージがありますが、実際は一般的な銀行よりも時間を要することが多いです。
審査は入力情報と審査書類のみで行われます。
申込者の個人的な事情が伝わりにくいこともあり、審査のハードルはやや高めといえます。
事前審査への申し込みから融資実行までには、2ヶ月程度かかることもあります。
住宅ローンの審査期間~その他の金融機関
金融機関名 | 事前審査 | 本審査 |
---|---|---|
ろうきん | 1週間程度 | 1ヶ月以上かかることも |
JAバンク | 数日~1週間程度 | 2週間~3週間程度 |
フラット35 | 当日~4日程度 | 1週間~2週間程度 |
ろうきんやJAバンクは、全国にある各ろうきんや各JAで住宅ローンの申込条件や審査期間が異なります。
一般的な銀行と比べると、審査期間はやや長くかかる傾向にあります。
一方、民間金融機関と住宅金融支援機構が共同で提供しているフラット35は、銀行の住宅ローンとは全く異なる基準で審査を行っており、審査期間が短く済むケースが多いです。
事前審査は申込窓口である民間金融機関が担当しており、金融機関によって審査期間はそれぞれ異なります。
ただ、審査スピードの早さは、銀行よりノンバンクの方が断然早いです。
住宅ローン審査の基本的な流れ
住宅ローン審査を受けるなら、住宅ローン審査の基本的な流れはぜひ把握しておきましょう。
次にどのような手続きが待ち受けているのかが分かれば、審査をスムーズに進めていくことができるからです。
事前審査申し込み
事前審査は、住宅購入の仮申込みをするタイミングで受けるのが一般的です。
購入する物件が決まったら事前審査に申し込みをします。
【事前審査申込時の必要書類】
必要書類 | 具体例 |
---|---|
本人確認書類 | 運転免許証 パスポート など |
収入証明書 | 源泉徴収票 確定申告書 など |
物件確認資料 | 物件販売広告 間取り図 など |
万一本審査に進めなかった場合に備えて、複数の金融機関の事前審査に申し込むことも可能です。
ほとんどの金融機関では、ネットでの事前審査を受け付けています。
何件か事前審査に申し込む予定があるのなら、店頭まで出向く手間を省けるネット申し込みが便利でしょう。
事前審査結果連絡
事前審査にかかる期間は3~4営業日程度で、週末をはさんだとしても通常は1週間程度で結果が出ます。
事前審査の結果は、郵送か電話で連絡が来ることが多いですが、金融機関によってはメールで通知が来る場合もあります。
本審査申し込み
事前審査に通過したら、住宅の売買契約を結んで住宅ローン本審査に申し込みをします。
事前審査は複数受けることができますが、本審査は事前審査に通過した金融機関の中から1つだけ選んで申し込みをします。
本審査の必要書類は、事前審査のときよりも増えます。
【本審査申込時の必要書類】
必要書類 | 具体例 |
---|---|
本人確認書類 | 運転免許証・パスポート 住民票 印鑑証明書 |
収入証明書 | 【給与所得者】 源泉徴収票+住民税決定通知書など【自営業者】 確定申告書+申告所得税納税証明書など |
物件確認資料 | 物件販売広告・間取り図など 売買契約書・重要事項説明書など 登記事項証明書 |
本審査結果連絡
本審査に要する期間は、およそ1週間~10日程度です。
事前審査に通過したからといって、必ず本審査にも通過するとは限らないので注意が必要です。
住宅ローンの契約
本審査に通過したら、住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)を結びます。
この時点で、住宅ローンの借入金額や返済期間、金利タイプなどが決定しますので、ローン内容をよく確認してください。
住宅ローンの契約では、金銭消費貸借契約以外にも、
- 抵当権設定契約
- 保証委託契約
などを結びます。
【住宅ローン契約時に必要な書類】
- 本人確認書類(運転免許証・パスポート等)
- 住民票
- 実印
- 印鑑証明書
- 預金通帳
- 届出印
- 収入印紙
など
融資実行
住宅ローンの契約が済めば、いよいよ融資が実行されます。
融資の実行は、原則として物件の引渡しと同時に行われます(同時決済といいます)。
住宅ローン審査期間を短くするコツは?
こうすれば住宅ローン審査の期間が必ず短くなる!といった特別な方法は、残念ながらありません。
ですが、工夫次第で審査期間が長引かないようにすることは可能です。
住宅ローン審査を長引かせないためには、住宅ローンの審査条件をできるだけ満たしておくことが重要です。
審査条件を満たしていれば、基本的に審査期間が延びることはありません。
年収に見合った金額で申請する
住宅ローン審査では、借入額や返済額が返済能力に見合った内容かという点が重視されます。
とりわけ重要なのが、返済比率(年収に占める年間返済額の割合)です。
返済比率=年間返済額÷年収
金融機関によって返済比率は異なりますが、一般的には20%~40%程度が適正だといわれています。
【返済比率の一例】
年収 | 返済比率 |
---|---|
100万円~300万円未満 | 20%以下 |
300万円~450万円未満 | 30%以下 |
400万円~600万円未満 | 35%以下 |
600万円~ | 40%以下 |
返済比率が基準値ギリギリというような状況にある場合は、どうしても審査期間が長引いてしまいます。
審査をスムーズに進めるためにも、事前に他の借り入れをできるだけ減らしておくなどして返済比率に余裕を持たせておきましょう。
信用状況を確認しておく
住宅ローン審査をスムーズに進めたいなら、自分の信用状況を確認してみるのも一つの方法です。
自分でも気づいていなかった信用上の問題を把握できれば、対策を講じることで審査を有利に進められます。
例えば、自分では作ったことも覚えていないクレジットカードの信用枠が返済比率に影響して審査が長引くといったことが、住宅ローン審査ではよく見られます。
このような状況でも、事前に信用状況を確認していれば不要なクレジットカードの存在に気づきますから、審査前に解約手続きをするなどの対策を立てられます。
信用情報の開示請求をすると記録が残るので、住宅ローン審査前に信用状況を確認しない方がいいという意見もありますが、そのようなことはありません。
自分の信用状況を理解したうえで、住宅ローン審査に活かしてください。
必要書類をきちんとそろえておく
住宅ローン審査では、非常に多くの書類の提出を求められます。
書類の不備があると、全ての書類がそろうまで住宅ローンの審査自体がストップしてしまいます。
審査がストップすれば、審査期間は嫌でも長引きます。
無駄に審査時間を長引かせないためにも、必要書類は提出時までにきちんとそろえておきましょう。
特に、
- 役所に取りにいかなければならない書類
- 会社から発行してもらう書類
-
は、準備するのに時間がかかることもありますので、時間に余裕をもって準備しておくことが大切です。
住民票や印鑑証明書などのように何度も提出を求められる書類については、あらかじめ多めに用意しておきましょう。
何度も役所に出向く手間が省け、審査時間の短縮につながります。
住宅ローン申込直前の転職を避ける
住宅ローン申込直前に転職をすると、審査が長引くことがあります。
なぜなら、住宅ローン審査では勤続年数も審査の対象となっているからです。
多くの金融機関では勤続年数の基準を1年~2年以上に定めています。
住宅ローン審査の直前に転職をすると、金融機関が定めている勤続年数の基準を満たせなくなる可能性が高くなります。
また、住宅ローン審査では収入の安定性が重視されています。
- 今後、新しい会社で長期間継続して働き続けることは可能か
- 仕事内容や人間関係が変わることで、会社になじめなくなり転職を繰り返すようなことはないか
-
などの不安要素が見られれば、それだけで審査に時間を要してしまうでしょう。
住宅ローンを利用する予定があるのなら、申込直前の転職は避けるほうが無難です。
ただし、チャンスがあってキャリアアップや収入アップのために転職した場合は、こちらからしっかりアピールしてください。
この場合は、審査に有利に働きます。
住宅ローン審査中に新たなローンを組まない
住宅ローン審査には、事前審査と本審査の二段階に分かれており、本審査では提出書類の申告内容が事前審査と一致しているかどうか詳しくチェックしています。
事前審査と本審査とで申告内容に相違があると、審査期間が長引いてしまうので気をつけてください。
事前審査に通過できたことで気を緩めて、新居で使用するための家電や家具をついうっかりローンで購入する、などといったことがないようにしましょう。
本審査の前に新しくローンを組んでしまうと返済比率が変わってしまうため、確実に本審査に影響が及びます。
状況によっては、借入金額が減額されることもあります。
住宅ローン審査中に大きな買い物をする場合は要注意です。
健康状態を整えておく
住宅ローン審査では、申込者の健康状態も重視しています。
住宅ローンの返済は、30年前後とかなり長期間に及ぶことが多いです。
もし、その間に契約者が病気になってしまったら、金融機関は住宅ローンの残債を回収できなくなってしまう可能性があります。
そうした状況を回避するため、ほとんどの金融機関は住宅ローンの審査の申込時に団体信用生命保険に加入することを条件づけています。
団体信用生命保険は、万一契約者が亡くなったり重度の障害を抱えてしまったりした場合に、契約者に代わって住宅ローンの残債を支払ってくれる保険です。
まさかに備えるための団体信用生命保険も、健康状態に問題があって加入できなければ住宅ローンを組むことは難しいです。
住宅ローン審査をスムーズに進めるためにも、日ごろから健康状態を整えておくことは非常に重要なことだといえるでしょう。
おわりに
住宅ローンの審査期間は金融機関によって異なります。
利用する金融機関の住宅ローンの審査期間がどのくらいかかるのかを前もって調べておけば、審査結果の連絡がなかなか来なくて不安になるといったことを防げるでしょう。
もちろん、申込者の返済の力や信用状況によっても審査期間は変わってきます。
自分の状況をよく把握して無理のない返済計画を提案すれば、審査期間が大幅にずれ込むこともないはずです。
審査が長引かないよう、申し込みや手続きのタイミングに合わせて必要書類をもれなく準備することも忘れないでください!