住宅ローンの仕組みとは?【基礎知識をわかりやすく解説】

住宅ローンを利用しようと考えたときに、金利を確認する方が多いのではないでしょうか。

住宅ローンにおいて金利は、一見するとわかりやすく思えるかもしれませんが、金利にも様々な種類があります。

また、金利以外にも確認するべきポイントはたくさんあるので、金利だけを確認して住宅ローンを申し込むことは絶対にいけません。

住宅は生涯で一番高い買い物になると言われているので、よく知らずに買ってしまっては大損になってしまう可能性もあるのです。

このような状況に陥らないためにも、この記事では住宅ローンの仕組みについて一から解説します。

基礎の部分をしっかりと理解していないと意味がないので、ぜひこの記事を参考にしてください。

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住宅ローンとは?

そもそも、住宅ローンとは、住宅を購入したりリフォームしたりするときに金融機関から借りるお金(=商品)のことです。

もちろん、自分で住宅を買うためのお金を持っているのであれば住宅ローンを使う必要はないのですが、大半の人は住宅を買うためのお金を自分一人では用意できません。

そこで、ほとんどの方が利用するのが住宅ローンですね。

ローンは金融機関からお金を借りる、つまり借金ですので当然利息があります。

利息額は、借りたお金に対して年間の利息額を掛けて算出されます。

これに関しては後ほど詳しく解説します。

とにかく、住宅ローンは住宅を購入するときに利用する借金ということを覚えておきましょう。

住宅ローン審査の流れ

ここからは、住宅ローン審査の流れについて解説します。

以下のような手順で住宅ローンの審査が進んでいきます。

  • 事前申込
  • 事前審査
  • 正式申込
  • 本審査
  • 住宅ローン契約
  • 借り入れ開始

これらについて簡単に解説します。

事前申込

本審査の前の事前審査に申し込む必要があります。

ネット上で完結することもあるので、難しいことはありません。

事前審査

事前審査とは、仮審査とも言われており、主に申込者の勤務先情報に関する情報をチェックされます。

事前審査は、ネット上だけで完結することがあるので、気軽に申し込むことができるのが良い点です。

正式申込

事前審査に通ることができれば、本審査の申込みになります。

事前審査は、勤務先の情報など、簡単なものしか確認されませんが、本審査ではより詳細な情報を提示しなければなりません。

また、事前審査を通ったとしても、本審査に通れないこともあるので注意が必要です。

本審査

本審査では、源泉徴収票や課税証明書などの書類が必要になるので、準備が必要です。

仮審査と違い、ネット上で完結することができなくなるので、時間が取られてしまうこともあります。

住宅ローンを借りるためには仕方ないと考えましょう。

住宅ローン契約

本審査に通ることができれば、住宅ローンを契約することになります。

借り入れ開始

契約が完了したら、借り入れが開始されます。

より詳しい審査の流れについては以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

住宅ローン審査の流れとは?各ポイントにて解説

住宅ローンの金利の種類

住宅ローンには、

  • 固定金利型
  • 変動金利型
  • 固定金利期間選択型

の3つの金利タイプがあります。

どの金利方式を選ぶかによって、総返済額や毎月の返済金額も異なってくるので、慎重に考えなければいけません。

実際に住宅ローンを借りる際にはとても重要になるので、シミュレーションをしてしっかりと完済までの計画を立てておきましょう。

ただ、これだけを解説したとしてもわからないと思うので、一つずつ紹介します。

固定金利型

固定金利型は、借り入れたときから完済するまでの金利が一定になっているタイプです。

金利の変動がないため、完済するまでの総支払額や毎月の返済金額が、借り入れ当初にわかります。

そのため、将来の計画まで立てやすくなるのがメリットですね。

ただ、最初に説明した他の2つの金利よりも少し高めに設定されています。

固定金利型のメリット・デメリット

固定金利型のメリット・デメリットを簡単に解説します。

【固定金利型のメリット】

  • 借り入れ当初に返済額がわかるので計画が立てやすい
  • 借り入れ後に市場の金利が上昇したとしても返済額が変わらない

【固定金利型のデメリット】

  • 借り入れ後に市場の金利が減少したとしても返済額が減少しない
  • 他の2つの金利タイプよりも金利が高めに設定されている

変動金利型

変動金利型は、半年ごとに世界の金利状況によって、支払う金利が見直されるタイプです。

市場の金利が上昇すれば、住宅ローンの金利も上がり、市場の金利が減少すれば、住宅ローンの金利も下がります。

金利の見直しは半年ごとに行われますが、返済額の見直しは5年に一度行われます。

仮に、急激に金利が上昇したときには、利息額が毎月の返済額を超えてしまうこともありえるのです。

ただ、変動金利型は一般的に返済額の見直しがあって、返済額が増えてしまう場合にも、それまでに支払っていた返済額の1.25倍までと決められているので、そこまで不安に思う必要はありませんね。

変動金利型のメリット・デメリット

変動金利型のメリット・デメリットを簡単に解説します。

【変動金利型のメリット】

  • 借り入れ後に市場の金利が低下すると返済額も減少する
  • 固定金利型よりも金利が低い

【変動金利型のデメリット】

  • 借り入れ後に市場の金利が上昇すると返済額も増加する
  • 借り入れ時に将来の返済額が確定しないので、返済の計画が立てにくい
  • 借り入れ後に市場の金利が急上昇すると、最大で1.25倍まで支払金額が増えてしまう

固定金利期間選択型

固定金利期間選択型は、10年固定、20年固定など、一定期間が固定されているタイプの金利です。

固定金利期間が終了したあとには、固定金利型か変動金利型のどちらかを選ぶことができます。

ただし、金利固定期間が終了したときに、金利が上がっていた場合には上がった金利が適用され、下がっていれば下がっている金利が適用されます。

もう一点注意しなければ行けない点が、変動金利型のように金利額が上昇していたとしても1.25倍までという規定はないという点です。

なので、固定金利期間選択型を選ぶ際には、借入時の返済額だけでなく、金利改定後の返済額についても考えておかなければなりません。

金利が上昇したとしても毎月無理のない返済ができると判断できれば、固定金利期間選択型を利用してもいいですね!

ただ、金利が上昇していることを考えて、リスクが大きいと判断するのであればやめておきましょう。

固定金利期間選択型のメリット・デメリット

固定金利期間選択型のメリット・デメリットを簡単に解説します。

固定金利期間選択型のメリット

  • 固定金利型の期間中は返済額がわかる
  • 固定金利型の期間が終了したときに、市場の金利が低下していると返済額が減少する

固定金利期間選択型のデメリット

  • 固定金利型の期間が終了したときに、市場の金利が上昇していると返済額が上昇する
  • 借り入れ時に固定金利型の期間が終了したあとの返済額がわからないので、将来的な計画を立てにくい
  • 固定金利型と違い、市場の金利が上昇して返済金額が上昇したとしても1.25倍という限度がない

住宅ローンの金利を選択するときのポイント

ここまで、3つの金利タイプを紹介いたしました。

これらの金利タイプの選択によって将来的に支払う金額が大きく異なってしまうので、それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解しなければなりません。

それぞれの違いを理解する

先程も紹介している通り、それぞれにメリット、デメリットがあるのでしっかりと理解しておきましょう。

それぞれの金利におすすめできる方を簡単に解説します。

固定金利型に向いている方

固定金利型は借り入れ時に返済額が確定するので、将来の計画をしっかりと決めたいという方におすすめです。

変動金利型に向いている方

変動金利型は、たとえ金利が上昇してしまったとしても、返済に余裕があり、借り入れ時の返済額を抑えたいという方におすすめです。

固定金利期間選択型に向いている方

固定金利期間選択型に向いている方は、固定期間中に子供の教育費などの必要出費がなくなり、選択時に金銭的に余裕ができる方におすすめです。

それぞれの返済総額の差を計算する

それぞれの金利タイプごとに毎月の返済額や総返済額がどのように変化するのか、借り入れる前に確認してみることも大事ですね。

変動金利型であれば、金利が減少することをシミュレーションするのではなく、増加するシミュレーションをしておきましょう。

実際にシミュレーションするのであれば、以下のサイトを利用することをおすすめします。

返済プラン比較シミュレーション

住宅ローンの返済方法

住宅ローンは、金利だけでなく、返済方法によっても返済額が異なります。

  • 元利金等方式
  • 元金均等方式

これらの返済方式があるのですが、これだけでは全くわからないので、一つずつ解説します。

元利金等方式

元利金等方式というのは、元金と利息の合計金額は返済期間中、一定の返済方式です。

毎月の返済金額に変動がないので、将来的な計画も立てやすいのが利点ですね。

また、借り入れ当初の返済金額が少ないというのも利点です!

ただし、返済当初には利息の割合が大きくなってしまうので、元金を減らし辛いです。

元金が減らないと、利息の金額も下がりにくいので、返済金額は大きくなってしまう可能性もあります。

元金均等方式

元金均等方式は、元金の返済額は毎月一定になります。

ただ、利息に関しては借入残高によって異なるので、毎月支払う住宅ローンの金額は一定になりません。

元利均等方式と比較すると、借り入れ当初に支払う金額が大きくなる一方で、元金部分のヘリが早いです。

そのため、総返済額も元利金等方式よりも少くなるということを覚えておきましょう。

住宅ローンの金利はいつ決定する?

ここまで、金利の方式について解説してきましたが、その金利を決定するのはいつなのか気になりますよね。

住宅ローンの金利が決定されるタイミングは以下の通りです。

  • 住宅ローンの申込みをしたときの申込時金利
  • 融資されたときの実行時金利

これらのどちらかのタイミングの金利が決定されます。

金利が更新されるタイミングは金融機関によって異なるので、融資を申し込む前に確認しておきましょう。

住宅ローンの利息の計算方法とは?

住宅ローンを利用するのであれば、利息の計算はしっかりとしておきたいですよね。

利息の割合によって住宅ローンの返済額は大きく変わります。

元金の残高×金利

この計算式で毎月の支払額を算出することができます。

では、具体的に計算してみましょう。

具体的な例を用意しました。

借入金額 金利 借入期間 返済方法
5000万円 固定金利型:1.0% 35年 元利金等方式

このような事例で計算してみましょう。

この事例で、毎月の返済額を計算してみると、141,142円となりました。

総支払額は、59,279,814円となり、利息が900万円以上ついていることがわかりますね。

では、これが変動金利だった場合にはどのような結果になるのか見ていきましょう。

借入金額 金利 借入期間 返済方法
5000万円 変動金利型 35年 元利金等方式

金利型以外はそのまま引き継ぎます。

変動金利は、7年ごとに5回変動する想定で計算します。

0~7年目 7~14年目 14~21年目 21~28年目 28~35年目
1.0% 1.2% 1.1% 0.9% 1.4%

大きく変動したとして、このように設定してみました。

このような金利の変動が行われると、毎月の返済額は以下のようになります。

0~7年目 7~14年目 14~21年目 21~28年目 28~35年目
141.142円 145.489円 143.944円 141.142円 144.672円

総支払額は、60.088.509円となり、利息が1000万円以上ついていることがわかりますね。

今回のシミュレーションでは固定金利型の総支払額よりも大きくなりましたが、金利の変動によっては、固定金利型の総支払額よりも小さくなることはありえます。

このようにして計算することができるので、実際に住宅ローンを借りるときに計算して見ましょう。

まとめ

住宅ローンについて理解を深めることができたでしょうか。

金利の型や返済方法によって、総返済額が大きく異なってしまうので、住宅ローンを借りる前に自分に合っている方式を選びましょう。

住宅ローンは一生で一番大きな買い物とも言われているので、『金利が安いから』のような理由で選ぶのはやめましょう!

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