消費税が10%に上昇することによって、住宅ローンを組んで住宅を購入すうることに抵抗感を持っている方もいるかもしれません。
しかし、消費税が10%に上がったことによって、よりお得に住宅ローンを後乳することができる可能性があるのです。
消費税が10%に増税されることによって、一定の条件を満たしている方の住宅ローンの控除期間が10年から13年に延長されます。
この記事では、住宅ローン控除の延長について解説します。
住宅ローンを利用している方やこれから住宅ローンを利用して住宅を購入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 住宅ローン控除が延長してもらう方法
- 住宅ローン控除を延長する条件
- 住宅ローン控除の計算方法
- 住宅ローン控除が13年に伸びた場合の控除金額例
- 控除期間が伸びた場合と伸びなかった場合の差額
※本ページにはPRが含まれます。
Contents
そもそも住宅ローン控除とは?
まずは、住宅ローン控除についてしっかりと知っておく必要があります。
住宅ローン控除とは、居住用の住宅を購入するために住宅ローンを利用した場合やリフォームをした場合に利用できる制度のことです。
住宅ローンを利用して自分の家を購入すると、所得税や住民税から控除してもらえるということです。
仮に所得税の金額が控除額よりも少なかった場合には住民税から控除してもらえるので、無駄になりません。
住宅ローンを利用するためには以下の条件を満たしている必要があります。
- 1年間の合計所得金額が3000万円以下
- 10年以上のローンを組んでいる
- 購入した物件に半年以内に住んでいる
- 購入する物件が居住目的である
- 配偶者や親族が所有している物件以外を購入すること
- 購入した物件の床面積が50平方メートル以上あること
- 中古の場合には築20年以内で、耐震性能が最新であること
住宅ローン控除がされる場合にも、これらの条件は満たしている必要があります。
住宅ローンを利用する方法
住宅ローンを利用するためには上記の条件を満たしている必要がありますが、それだけでは住宅ローン控除を利用することはできません。
住宅ローン控除を利用し始めるためには、確定申告をする必要があります。
住宅を購入した翌年の確定申告が必要です。
ただし、会社員の方であれば、初回だけ確定申告をすればいいです。
2年目以降は会社の年末調整で申請してもらえるので、初年度だけ頑張りましょう。
住宅ローン控除については以下の記事でより詳しく解説しているので、興味がある方はこちらを御覧ください。
住宅ローンの控除が延長されるって本当?
そもそも、住宅ローン控除が延長される事自体よくわかっていないという方もいると思います。
結論から言ってしまうと、住宅ローン控除は延長されます。
しかし、住宅ローン控除を延長する場合には、いくつかの条件を満たしている必要があります。
次は、住宅ローン控除の対象となる条件について解説します。
住宅ローン控除が延長される対象になる条件とは?
住宅ローン控除が延長される条件は以下のとおりです。
- 消費税10%で住宅を購入し、2019年10月~2020年12月末日までに入居した人
- コロナウイルスによって住宅への入居が遅れた人
これらを詳しく解説します。
消費税10%で住宅を購入し、2019年10月~2020年12月末日までに入居した人
消費税が10%になってから物件を購入し、なおかつ2019年10月~2020年12月末日までに入居をしている必要があります。
住宅ローン控除の期間が延長される理由は、増税に伴っているので、消費税が10%になってから購入していることが条件となります。
また、入居に関しても制限があるので、注意しましょう。
新型コロナウイルスによって住宅への入居が遅れた人
ただし、入居期間に関しては新型コロナウイルスによって入居タイミングがずれてしまっている場合にも対象となります。
例えば、以下のような事例があった場合に適用されます。
- 住宅を建てるための工事が遅延した
- 事業者が営業を自粛したために工事が遅延した
- 新型コロナウイルスの自体が収まるまで自粛することにした
- 工事自体の契約が遅れてしまった
以上のような理由で住宅ローン控除を延長してもらうことが可能です。
ただし、新型コロナウイルスによって入居が遅れている場合にも、2021年12月末までに購入した物件に入居しなければなりません。
また、購入した時期は2020年12月末までとされています。
まとめると、
- 2020年12月末に購入
- 2021年12月末までに入居
をしていれば、住宅ローン控除の期間が13年に伸ばされます。
新型コロナウイルスの影響とわかる書類が必要になるので、必ず用意しておきましょう。
中古物件でも住宅ローン控除の対象となる?
住宅ローン控除の延長をしようと考えている人の中には、中古物件を購入しようと考えている方もいると思います。
そうすると、中古物件でも住宅ローン控除の対象になるのかどうか気になりますよね。
結論から言ってしまうと、中古物件を購入したとしても住宅ローン控除の対象となります。
もちろん、住宅ローン控除の延長の対象にもなるので安心してください。
ただし、中古物件の場合、新築の物件を購入するとよりも条件が厳しくされています。
基本的に住宅ローンを利用する際に必要な条件に加えて以下の条件が必要になります。
- 耐震基準適合証明書
- 既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)
- 既存住宅売買瑕疵保険証書
これらに関して詳しく解説してしまうと、話がずれてしまうので、中古物件が住宅ローン控除を受ける場合の注意点や条件については以下の記事を参考にしてください。
住宅ローンの控除額を計算する方法
住宅ローン控除額の計算方法について解説します。
ただ、注意しなければならない点として、1年目から10年目までの計算方法と11年目から13年目までの計算方法が異なっている点です。
それぞれ以下のように計算することができます。
- 1年目から10年目:年末時点での住宅ローン借入金額の1%
- 11年目から13年目:年末時点での住宅ローン借入金額の1%、もしくは建物を取得した金額の2%÷3
これらについて解説します。
1年目から10年目
1年目から10年目であれば、年末時点での住宅ローン借入金額の1%となります。
例えば、年末の借入金額が4000万円だったとしましょう。
4000万円×1%=40万円
このようになります。
注意点としては、年間の最大控除金額が年間40万円までということです。
つまり、年末の借入金額が5000万円だったとしても、40万円が限度額です。
逆に3000万円であれば30万円控除してもらえます。
11年目から13年目
11年目から13年目の場合には、年末時点での住宅ローン借入金額の1%、もしくは建物を取得した金額の2%÷3と定められています。
どのように選ばれるのかというと、【年末時点での住宅ローン借入金額の1%】と【建物を取得した金額の2%÷3】を計算して、少ない金額が採用されます。
例えば、物件の価格が3000万円だったとしましょう。
3000万円×2%÷3=20万円
このようになります。
この20万円と年末の住宅ローン残高を比べて、低いほうが選ばれます。
少し複雑になるため、戸惑う方もいると思いますが、計算自体は簡単なのでしっかりと計算してみましょう!
住宅ローン控除が13年に伸びた場合のシミュレーション
住宅ローン控除の計算方法はわかったかと思いますが、実際に住宅ローン控除を利用したときに、どのくらいの控除が見込めるのか気になりますよね。
今回は、実際に住宅ローンを利用した体で、控除金額を計算します。
シミュレーションモデルは以下の通りに設定します。
物件購入価格:3300万円(税込み)
借入金額:3,300万円
金利:1.31%(フラット35参照)
返済期間:35年
返済方式:元利金等
このような条件で、住宅ローン控除の計算をしていきましょう。
この条件で住宅ローン控除を利用した場合、以下の表のようになりました。
年目 | 年末残高 | 控除金額 |
---|---|---|
1年目 | 32,689,460円 | 326,894円 |
2年目 | 31,937,215円 | 319,372円 |
3年目 | 31,175,056円 | 311,750円 |
4年目 | 30,402,854円 | 304,028円 |
5年目 | 29,620,476円 | 296,204円 |
6年目 | 28,827,787円 | 288,277円 |
7年目 | 28,024,652円 | 280,246円 |
8年目 | 27,210,929円 | 272,109円 |
9年目 | 26,386,484円 | 263,864円 |
10年目 | 25,551,173円 | 255,511円 |
11年目 | 24,704,852円 | 247,048円 |
12年目 | 23,847,377円 | 238,473円 |
13年目 | 22,978,603円 | 229,786円 |
控除金額の合計は、3,633,562円となりました。
ただ、これだけでは、税率が8%のときとどちらがお得になるのかわかりませんよね。
次は、税率が8%のときの住宅ローン控除について考えていきましょう。
条件は以下のとおりです。
物件購入価格:3,240万円(税込み)
借入金額:3,240万円
金利:1.31%(フラット35参照)
返済期間:35年
返済方式:元利金等
次はこのような条件で計算していきましょう。
この条件で住宅ローン控除を利用した場合、以下の表のようになりました。
年目 | 年末残高 | 控除金額 |
---|---|---|
1年目 | 32,095,108円 | 320,951円 |
2年目 | 31,356,545円 | 313,565円 |
3年目 | 30,608,246円 | 306,082円 |
4年目 | 29,850,088円 | 298,500円 |
5年目 | 29,081,938円 | 290,819円 |
6年目 | 28,303,663円 | 283,036円 |
7年目 | 27,515,132円 | 275,151円 |
8年目 | 26,716,209円 | 267,162円 |
9年目 | 25,906,756円 | 259,067円 |
10年目 | 25,086,636円 | 250,866円 |
控除額の合計は2,865,199円になりました。
最後に、税率が8%のときと10%のときの価格と控除額の差について計算してみましょう。
税率8% | 税率10% | |
---|---|---|
物件の金額 | 3,240万円 | 3,300万円 |
控除額 | 2,865,199円 | 3,633,562円 |
差額 | 600,000円 |
税率が8%のときには、60万円ほど安く物件を購入することができます。
しかし、控除額を加味すると768,363円の差額が生じるため、消費税が10%のときに物件を購入したほうが結果的にお得になります!
住宅ローン控除が延長されても効果は人それぞれ
先程のシミュレーションを見て、「住宅ローンを組むなら今しかない!」と思った方もいるかもしれませんが、そんなに単純な話でもありません。
そもそも、先程のシミュレーションでは保証料や手数料を考えていません。
また、住宅ローン控除を利用する方の所得税や住民税の金額にもよって、控除金額は異なります。
そのため、「住宅ローンを組むなら今しかない!」というのは早計ですね。
実際に住宅を購入するときには、保証料や手数料についてもしっかりと考えましょう。
住宅ローン控除の延長に必要な手続きはある?
住宅ローン控除が延長されることで、消費税が8%のときよりもお得に物件を購入できるということがわかっていただけたかと思います。
また、住宅ローンの控除は条件を満たしていれば、そのまま13年間控除してもらうことができます。
面倒な手続きは必要ないため、条件さえ満たしていればOKです。
住宅ローン控除の延長は期間限定!利用できる方は利用しよう
最後にもう一度、住宅ローン控除が延長される条件について確認しておきましょう。
- 消費税10%で住宅を購入し、2019年10月~2020年12月末日までに入居した人
- コロナウイルスによって住宅への入居が遅れた人
上記の条件に当てはまっていれば、住宅ローン控除が10年から13年に引き伸ばされます。
その他に必要な手続きもないため、この期間に購入できていればラッキーですね!
ただ注意しなければ行けない点もあり、節税の効果は人それぞれ異なる点です。
今回は3000万円程度の借り入れを行う前提で計算しましたが、人それぞれ借り入れる費用は異なるでしょう。
また、もし住宅ローン控除が延長される期間に住宅ローンを利用したいのであれば、なるべく早く住宅を購入しましょう。
2020年12月末日までに入居した人というのが条件になっているので、間に合わなくては意味がありません。
住宅は計画的に購入しましょう!