「住宅を購入したけど、売却しようか迷っている…」
住宅の売却を検討しているけれど、子どものこともあるしできれば引越しをしたくないと考えている人もいますよね。
そんな人におすすめしたい不動産の売却方法が「リースバック」
リースバックは不動産を売却するものの、同じ家に住み続けることができる制度です。
通常の不動産売却では決して得ることができないメリットも多く、近年人気を集めています。
しかし、メリットだけに注目しては思わぬ落とし穴にはまってしまうかもしれません。
今回は、気になっている人も多い「リースバック」のメリット・デメリットとよくあるトラブル事例について解説していきます。
リースバックを検討している人は最後まで読んで、失敗しないリースバックを目指してください!
※本ページにはPRが含まれます。
Contents
リースバックとは
リースバックとは、「不動産売却と賃貸借契約が一体になった契約」のことを指します。
詳しく説明すると、リースバックをしている会社に対して自宅を売却して、その後に賃貸借契約を結ぶことで、売却後にも同じ家に住み続けることができるという制度です。
高齢化社会と必要老後資金の増加によって近年人気が出てきている仕組みであり、通常の不動産売却とは異なる目的や理由で利用する人も多くなっています。
リースバックのメリット5つ
「リースバック」の仕組みについては理解いただけましたか。
ではリースバックには通常の不動産売却では得ることができないメリットがたくさんあります。
これから代表的なメリットを5つご紹介します
【メリット①】引越しの必要がない
リースバックは不動産の売却後も同じ家に住み続けることができます。
そのため、売却した後も引越しの必要がありません。
通常の不動産売却では売却した後に同じ家に住み続けることはほぼ不可能ですが、リースバックを使うと売却した後に賃貸契約を結ぶことで、引越しの必要がなくなります。
「子供が中学を卒業するまではこの家に住み続けたい」と考えている場合も実現することが可能ですし、ライフスタイルの移り変わりから、「賃貸契約のほうがいいのでは」と考えている人にもピッタリの制度です。
リースバックをすることで、同じ家に住み続けながら不動産売却ができることは「リースバック」ならではのメリットです。
【メリット②】短期間で資金が手に入る
リースバックは通常の不動産売却と同じように資金が調達できます。
高齢化社会により、老後資金・医療費について不安に感じている高齢者の方も多いですよね。
リースバックをすることで資金が調達できるため、これらの不安を消すことができます。
リースバックで得た資金の使い道はなんでもいいので、事業資金にすることも可能です。
また、短期間で売却代金を受け取ることができる点もリースバックの特徴。
通常の不動産売却は、売却を検討してから買い手がつくまでに時間がかかるため、売却を検討してから実際に資金が手元に入るまでに早くて数か月、長くて1年以上かかることもあります。
しかし、リースバックは売却した後の入居者が決まっているため、短期間で売却代金を受け取ることができる点も大きなメリットです。
急に資金が必要になった場合は不動産売却よりもリースバックを選ぶことで素早くキャッシュを手に入れることができます。
【メリット③】維持費がかからなくなる
住宅を所有していると住宅ローン以外にも何かと費用が掛かりますよね。
代表的なものだけでも
- 固定資産税
- 火災・地震保険
- 修繕費
- 積立金(マンションの場合)
がかかります。
たとえ、住宅ローンの支払いが終わっても維持費に関してはかかり続けるため、場合によっては生活を圧迫する可能性もあるでしょう。
しかし、リースバックをすることで維持費を軽減できるというメリットがあります。
所有権が買主に移るため、固定資産税などの維持費を支払う必要がなくなることはリースバックの特徴です。
【メリット④】買い戻すことができる
「この家を失いたくないけど、今どうしても資金を調達しなければならない…」
何が起きるかわからない人生では、こんなこともあるかもしれません。
通常の不動産売却では、一度住宅を売却すると再度同じ住宅を買うことが難しいです。
しかし、リースバックで売却をした場合は、まとまった資金さえあれば買い戻すこともできます。
再び住みたい時に取り戻すことができるため、今すぐに資金が必要だけど、後から確実にまとまった資金が手に入る人におすすめです。
【メリット⑤】売却を周囲に知られない
「住宅の売却を考えているが、周囲に知られたくない」
という悩みを抱えている人もいますよね。
そんな方にはリースバックがおすすめです。
リースバックは住宅の売却後もそのまま済み続けることができるため、不動産を売却したということが周囲に漏れることがないです。そのため、近所の人や親戚に住宅の売却を知られるという心配をする必要がありません。
リースバックのデメリット
ここまでリースバックのメリットを紹介してきましたが、ここからはデメリットを紹介していきます。
所有権を失う
リースバックをすると住宅の所有権がリースバック業者に移ります。
そのため、自分の家のように自由にリノベーションをすることや、設備を拡張したいときは、一度買主に許可を得なければなりません。
売却後も住み続けることができても、自分たちの所有物でなくなるため、住宅を自由にできなくなる点がデメリットです。
売却価格が市場より安い
リースバックでの売却価格は、通常の売買価格よりも安くなる場合が多いです。
そのため通常の売却価格で査定をしていた場合、手元に入るお金が少なくなり、「予定していた資金と違う」というケースも考えられます。
すぐに資金調達したいと考えている人でも売却価格が通常よりも下がるのは嫌ですよね。
そのため、リースバックを検討する際は、納得ができる売却価格かきちんと考えましょう。
ずっと住み続けられない可能性も
リースバックをして、新しく賃貸借契約を結んだといっても、その住宅に永久に住み続けることができるとは限りません。
実は、リースバック後の契約は、「定期賃貸借契約」という2年以内の契約期間での契約になる傾向があります。
「定期賃貸借契約」の場合は満了とともに、引越しを迫られることもありますので注意が必要です。
「定期賃貸借契約」について解説します。
「定期賃貸借契約」とは
「定期賃貸借契約」は契約で定めた期間が満了すると契約が終了する契約のことを指します。
一般的な賃貸契約である「普通賃貸借契約」の場合、貸主は正当な理由がない限り更新を拒否することができないと定められています。
しかし、「定期賃貸借契約」は契約満了した後、更新を要求してもリースバック会社が「更新しない」と決断すると更新ができないため、引越ししなければならなくなります。
リース料金が割高になる
リースバックをして、賃貸借契約を結ぶと家賃の支払いが発生します。
可能であれば毎月かかる家賃は抑えたいですよね。
しかし、リースバック後の家賃は周辺の家賃相場よりも割高になる傾向があります。
リースバックの家賃の決定方法は通常の賃貸契約とは異なり、売却価格の7~14%程度に設定されることが一般的です。
リースバック業者は「リースバックによる買い取り」を投資として考えていることが多く、不動産利回りを重視する結果、家賃相場が割高になります。
リバースモーゲージとの違いを解説
「リースバック」について調べていると「リバースモーゲージ」という言葉を目にすることもあるでしょう。
「リバースモーゲージ」とは、リースバックと同じように資金調達を目的とするものですが、リバースモーゲージは売却をするのではなく自宅を担保にして金融機関からお金を借りる方法です。
リバースモーゲージは高齢者向けの商品のため、利用には年齢制限が設けられていることもあります。
生活費にする場合や老人ホームの費用を目的にして使うことが多く、返済は死亡後に一括して行うため、リスクが少なく月々の支払いの心配をなくすことができます。
これから間違いやすい「リースバック」と「リバースモーゲージ」の大きな違いについて3点紹介します。
①所有権があるかどうか
リバースモーゲージはリースバックと異なり、自宅を売却するわけではないので、所有権が自分に残ります。
リースバックをすると所有権がなくなるため、固定資産税などの支払いをする必要がなくなりますが、リバースモーゲージは自身が所有をしているため、維持費を自身で支払わなければなりません。
②資金の使い道に制限があるかどうか
リースバックは自宅を売却して資金を調達する方法のため、売却で得た資金の使用方法に制限はありません。
一方、「リバースモーゲージ」は、住宅を担保にして借り入れを行うため、手元にはいったお金の使用方法が限定されます。
事業資金や、投資資金にすることはできないので注意しましょう。
③不動産価格の変動リスク
リバースモーゲージは住宅を担保にしてお金を借りるため、住宅の価値が大幅に下がると「担保評価額」の見直しが必要になるケースがあります。
また、住宅ローンと同じく借り入れをしているため金利の変動リスクも注意が必要です。
最悪の場合、融資が打ち切りになることも考えられるので「リバースモーゲージ」の利用を検討する際は慎重に検討してください。
失敗しないために!リースバックのよくあるトラブル事例5選
ここから「リースバック」のよくあるトラブル事例を紹介します。
失敗しないリースバックを行うためには、トラブルのリスクを回避することが大切です。
よくある事例を参考にして、リースバックがうまくいくように対策しましょう!
【トラブル①】住んでいる家がいつの間にか売却されていた
リースバック期間中に、住んでいる家がいつの間にか売却されていたというケースがあります。
所有権がリースバック会社に移っているため、住宅を売却される可能性はゼロではありません。
契約の中に「買戻し特約」や「売買予約契約」をつけている場合、リースバック期間中に勝手に売却されるということはないため、「いつの間にか売却されていた」ということを防ぐためにきちんと契約内容を確認しましょう。
【トラブル②】家賃をあげられた
そのまま住み続けるためには、リースバックをした後に家賃を支払はなければなりません。
しかし、リース料は周辺の家賃相場よりも割高に設定されていることも多いです。
毎月の家賃支払いが多いと生活が厳しくなりますよね。
再契約の際、家賃を上げられるケースは珍しくないため、「賃料が上げられて引っ越さなければならない」という状況を防ぐためには、賃料に関しての契約をしっかりと確認することが大切です。
設定された家賃の支払いに問題がないか、生活状況と照らし合わせてみることをおすすめします。
【トラブル③】退去を要求された
リースバックは「定期借家契約」であることが多いです。
定期借家契約の場合契約満了後に再契約が必要ですが、再契約ができると思っていてもリースバック会社の事情から再契約できない場合もあります。
再契約ができなければ、退去をするしかありません。
急な退去を要求されないためにも、まずは自分の契約内容をきちんと確認しましょう。
「普通借家契約」であれば正当な事由がない限り契約の解除はできませんし、更新を拒否することもできないため、退去を求められることがありません。
【トラブル④】買戻し金額が高額
リースバックをする際、住宅の買戻しを考えている人も多いですよね。
しかし、リースバック後の住宅の買戻し金額は、売却価格よりも高いことが多いです。
買戻し価格が想定よりも高く、買戻しができないというケースはよくあるため、買戻しを確実にするためには、売却の際に買戻しに関しての契約を結ぶことをおすすめします。
買戻し条件を前もって明確化しておくことで、必要資金もわかるため買戻しに向けての計画も立てやすくなります。
【トラブル⑤】子供ともめる
リースバックは住宅を売却しても、そのまま済み続けることができるため、相続人である子どもですら気づかない場合が多くあります。
そのため、子どもが「知らない間に売却されていた」ということを知り、家族と喧嘩になるケースも珍しくありません。
喧嘩を防ぐためにも、リースバックの利用を検討する場合は、必ず相続人に話をしておくことをおすすめします。
リースバックの利用理由3選
リースバックのメリットやデメリットについては理解できたと思います。
しかし、リースバックを利用するケースはどのような場合が多いのか気になりますよね。
これからリースバックの利用理由を3つ紹介していきます。
①住宅ローンの支払いがきつい
「住宅ローンの支払いがきつい」と感じる人でも同じ家に住み続けたい人はたくさんいますよね。
リースバックを活用することで、自宅に住み続けながら毎月の支払額を減らすことができることもあります。
毎月のリース料が、住宅ローンの支払額よりも少なくなれば月々の負担も減るため、生活にゆとりを持つことが可能です。
住宅ローンの支払いや固定資産税の支払いがきついけど、引越しはしたくないと考えている人は、一度リースバックを検討してみてもいいかもしれません。
②老後資金を調達したい
人生100年時代だといわれる時代になり、老後資金に対して不安を感じている人もいますよね。
リースバックでまとまったお金を手に入れ、老後資金として使いたいと考えている人は多いようです。
また、素早く資金調達ができるため、急な医療費が必要になった場合にも、お金がすぐ手に入るという特徴があります。
老後資金と医療費を準備したいという理由からリースバックを使う高齢者は年々増加しています。
③相続対策を考えている
リースバックを相続の準備として利用される方も多いです。
現在は自分が住んでいるけれど、自分が死んだら住む人がいなくなるという場合に利用するケースをはじめ、相続時に家族がもめることを防ぐため、あらかじめ現金にしておくケースがあります。
不動産の価値は判定しづらいですが、現金にしておくと分割がしやすくなるため相続時に揉めるケースをなくすことが可能です。
また、所有権がないことで名義変更などの手続きの必要もなくなり、相続人の負担を減らすことができます。
リースバックのメリットをきちんと理解しよう
近年人気になりつつあるリースバック。
記事を読んで、メリットとデメリットやトラブル事例が理解できたと思います。
リースバックはややこしい契約が多いですが、失敗しないリースバックをするためには契約内容をきちんと理解することが非常に大切です。
今回紹介したトラブル事例も、前もって相談しておくことや契約内容を確認しておくことで防ぐことができるケースがほとんどです。
失敗しないためにも、リースバックをする際は、慎重に契約内容を検討しましょう!