保証人がいれば住宅ローンの審査に通る?連帯保証人の仕組みやリスクを徹底解説

夢のマイホームを手に入れるためにも、住宅ローンを組む人は多いことでしょう。

一括払いができれば楽ですが、数千万円にもなる住宅を買うことは簡単ではありません。

住宅ローンの審査に通る必要もありますし、ハードルが高いものだと思っている人も多いのではないでしょうか。

中には、「保証人が必要になる」と考える人も……。

今回はそんな方たちのために、住宅ローンに保証人は必要なのか、用意したほうが審査に有利なのか、連帯保証人とはなんなのかなど、気になる情報を徹底的に解説します。

保証人という要素は慎重になるべきところであり、冷静な判断をするためにも、ぜひ参考にしてくださいね。

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住宅ローンには審査がある

住宅ローンは、大きなお金が絡んでくるローンです。

誰でも組めるわけではなく、審査を受ける必要があります。

年収や勤務先、クレジットカードや公共料金の支払い状況など、さまざまな情報が審査されます。

そこで問題が見つかれば、金融機関はお金を貸してくれません。

住宅ローンは組めず、夢のマイホームが遠のいてしまうのです。

できることなら、審査に通る可能性は少しでも上げておきたいですよね。

そんな時、「連帯保証人を立てたほうがよい」と耳にしたことがある人は多いはず。

審査が不安な場合、連帯保証人を立てたほうが良いのでしょうか。

保証人がいれば住宅ローンの審査に通るわけではない

保証人を立てるというのは、あなたが返済できなくなったときに代わりに払ってくれる人を金融機関に示すということです。

保険のようなものですね。

しかし、保証人を立てれば審査に通るのかというと、そうではありません。

金融機関からみて、保証人に問題があれば当然審査で落とします。

収入が0の人を連れてきて「いざという時の私の代わりです」と言われても、意味がありませんよね。

あくまで返済能力がある人を用意する必要があるわけです。

きちんとした人を保証人に立てれば、審査に通りやすくなる可能性はあります。

金融機関からしても、いざというときのリスクが低いほうが嬉しいわけです。

収入を合算することで、借入金額を増やすこともできるので、保証人を立てる意味はあるといえるでしょう。

審査に通りやすくする方法はほかにもある

保証人を立てる以外にも、審査の通過率を上げる方法はあります。

頭金を多く用意する、より条件が緩く審査の甘い住宅ローンに申し込む、などが挙げられます。

落ちる要素を減らすことも重要でしょう。

過去の延滞記録などがないか、健康状態に問題がないか、年収に見合った借入希望額なのかなど、不安な要素はできるだけなくしておくことが重要です。

保証人がいなくても住宅ローンは組める

保証人は必ずしも用意しなければならないわけではありません。

原則、住宅ローンに保証人は不要です。

保証人とは金融機関からすれば保険のようなものになるわけですが、住宅ローンの場合、ほかに保険があるのです。

そう、住宅です。

住宅ローンは、物件が担保になることで、万が一の事態に対応できます。

それだけではありません。

保証人の代わりに、保証会社というものがあります。

万が一の時にお金を代わりに返してくれ、というのは頼みづらいものですよね、

保証人が見つからなかったとしても、代わりに保証料を支払うことで保証会社がその役割を代行してくれるのです。

保証料の相場って?

保証料はいくらかかるものなのでしょうか。

保証料の金額は、住宅ローンの借入額と返済期間によって変わります。

一括で払う方法と分割で払う方法があり、どちらかを選ばなければなりません。

りそな銀行で保証料がどれくらいになるか考えてみましょう。

りそな銀行の場合

一括前払いの場合、借入期間10年で保証料が借入金100万円につき8,544円発生します。

3000万円で10年の住宅ローンを組む場合、保証料は約25万円です。

分割払いの場合、保証料として金利が0.2%上乗せされます。

支払う期間が長い分、利息が発生するので必然的に分割払いのほうが高くなるため25万円以上の保証料がかかってしまいます。

他にも、保証料不要を謳う金融機関もありますが、基本的にその分金利が高く設定されているので注意しましょう。

保証人が必要なケース

原則不要なだけで、保証人が必要になるケースもあります。

住宅ローンでは、状況によって、連帯保証人を求められることが多いです。

  • 収入を合算する場合
  • ペアローンを組む場合
  • 親名義の土地に家を建てる場合
  • 土地や建物が共有名義の場合
  • 申込人の年収が低い、住宅価格が高い場合
  • 連帯債務者が必要になる場合も

1つずつ詳しくみていきましょう。

収入を合算する場合

夫婦で住宅を購入するときなどに、片方の収入だけでは希望額に届かず、もう片方を連帯保証人にすることがあります。

連帯保証人を立てることで、その収入を加えて審査してもらえるのです。

収入を合算すれば、家のグレードを上げることもできます。

ペアローンを組む場合

ペアローンとは、夫婦それぞれが住宅ローンを組むローンのことです。

債務者でありながら、互いが互いの連帯保証人となるのがペアローンの特徴です。

ペアローンであれば、双方が団体信用保険に加入できる、住宅ローンの控除も受けられるというメリットもあります。

親名義の土地に家を建てる場合

親名義の土地に家を建てる時にも、連帯保証人を求められることがあります。

その場合、親が連帯保証人となるのが一般的です。

土地や建物が共有名義の場合

共有名義の中から代表者がローンを組み、他が連帯保証人となるケースです。

名義が共有だけなら求められることはあまりありませんが、それぞれが住宅ローンを組む場合は互いが連帯保証人となることが多いです。

申込人の年収が低い、住宅価格が高い場合

申し込んできた人の年収が低い、あるいはそれに対して希望の住宅価格が高すぎる場合にも連帯保証人が求められます。

「1人では無理ですが、2人なら大丈夫かもしれません」ということですね。

連帯保証人が用意できないのであれば、より低い住宅価格のものを探すなど、身の丈に合った住宅ローンを組む必要があります。

連帯債務者が必要になる場合も

連帯債務者が必要になる場合もあります。

連帯債務者とは、ローンを契約する債務者と同じ返済義務を負う人のことです。

フラット35で収入合算をする場合

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して販売する住宅ローン「フラット35」では、収入合算をする場合、連帯債務者を立てる必要があります。

フラット35は最長35年間固定金利などメリットの多い住宅ローンであるため、要求されたらしっかり対応するようにしましょう。

親子リレーローンを組む場合

親のローンを子が引き継ぐ、親子リレーローンでも連帯債務者を求められます。

継続して返済をするわけですから、親と子が同等の返済義務を負う必要があるわけです。

保証人・連帯保証人・連帯債務者の違い

保証人、連帯保証人、連帯債務者など、似たような言葉が多くて混乱しますよね。

それぞれの言葉が持つ意味をいったん確認しておきましょう。

名前は似ていますが、持っている意味合いは異なります。

保証人とは、債務者が返済できなくなったときに、代わりに返済の義務を負う人のことです。

連帯保証人は保証人よりもさらに責任が重く、保証する範囲が広くなっています。

連帯債務者とは債務者と同等の返済義務を負う人のことで、債務者が複数いるような状態だと思ってもらえればわかりやすいでしょう。

より違いをはっきりさせるために、保証人と連帯保証人の違い、連帯保証人と連帯債務者の違いをまとめてみました。

保証人と連帯保証人の違い

保証人と連帯保証人の違いは、責任の重さです。

中でも、以下の3つの権利があるかないかという違いがあります。

  • 催告の抗弁権
  • 検索の抗弁権
  • 分別の利益

保証人にはこれらの権利があるのに対し、連帯保証人にはありません。

詳しく解説します。

催告の抗弁権とは

保証人が返済を要求されたとき、「まずは債務者に請求してくれ」と主張することができます。

これを催告の抗弁権といいます。

当たり前のように感じますが、連帯保証人は要求されれば返済しなければなりません。

返済の要求を断ることができないのです。

検索の抗弁権とは

債務者に返済能力があるにもかかわらず、返済をしていなかったとします。

保証人の場合、債務者に請求するよう主張、それが難しければ強制的に財産の差押えをしてでも返済させろと主張できます。

これが検索の抗弁権です。

連帯保証人だと、債務者に返済能力があろうがなかろうが払わなければならないのです。

分別の利益

保証人が複数いる場合、返済義務は等分されます。

返済義務のある金額が、保証人の数で割った分になるのです。

例えば債務者が500万円の借金を背負っている場合。

保証人が5人いれば、1人あたり100万円の返済義務が発生します。

万が一債務者が500万円支払えなかったとしても、保証人1人に請求されるのは100万円です。

100万円を払えば、残りの400万円については返済義務がありません。

連帯保証人の場合、何人いてもそれぞれに500万円の返済義務が発生します。

100万円を支払っても、残りの400万円の返済義務が残ったままなのです。

もちろん、ほかの人が400万円払っていれば問題はありません。

以上が保証人と連帯保証人の違いです。

責任の重さ、背負う範囲の広さがわかってもらえたかと思います。

連帯保証人と連帯債務者の違い

連帯保証人と連帯債務者、どちらも連帯がついていてややこしい言葉です。

この2つの大きな違いは、返済を求められるタイミングです。

連帯保証人は、あくまで債務者の返済が滞った時に、代わりの返済を要求されます。

対して連帯債務者はいつでも要求されます。

あくまで一緒に返済をしていく、それが連帯債務者なのです。

返済の比率は半々とは限りません。

片方に全額分請求されることもありますし、収入が多いほうが多めに請求されることもあります。

他にも違いがあります。

住宅ローンの控除や、団体信用生命保険に加入できるかどうかです。

住宅ローンの控除は債務者のみ受けられるものであり、連帯保証人は受けることができません。

連帯保証人は団体信用生命保険に加入できませんが、連帯債務者であれば加入できる可能性があります。

以上が連帯保証人と連帯債務者の違いです。

あくまで保証する立場なのか、それとも一緒に返済をする債務者なのかで大きく異なってくるわけですね。

連帯保証人の選び方

連帯保証人を立てたい場合、どのように選べばよいのでしょうか。

基本的に制限はありませんが、身内を立てるケースがほとんどです。

住宅ローンはかなり大きな負担であり、知人に頼むには荷が重すぎます。

よほど気心の知れた中でない限りは難しいでしょう。

連帯保証人が見つからないときは

連帯保証人が見つからない場合はどうしたらよいのでしょうか。

方法は2つです。

  • 保証会社を頼る
  • 保証人不要の住宅ローンを探す

詳しくみていきましょう。

保証会社を頼ろう

大きな金額を借りることになる住宅ローンは、保証人が簡単に見つかるとは限りません。

そんな方たちのために、保証会社があります。

保証料はかかりますが、保証人の代わりとして力を貸してくれるのです。

用意した保証人の返済能力が低い場合、金融機関から保証会社の保証を求められることもあります。

保証人不要の住宅ローンを探す

保証人不要の住宅ローンを組むのも1つの手です。

返済期間が最長35年の「フラット35」などがそれにあたります。

返済期間が長く、余裕を持った返済ができるからこそ保証人がいなくてもお金をかしてくれるわけですね。

ただし、その分審査が厳しくなる可能性もあるので注意しておきましょう。

連帯保証人にはリスクがある

連帯保証人を立てれば安心というわけではありません。

連帯保証人を立てる側にも、なる側にもリスクが存在します。

特に住宅ローンは高額の負担になるため、リスクも大きくなりがちです。

もしもの時に備えて、きちんとリスクを把握しておきましょう。

連帯保証人が自己破産するリスク

連帯保証人を立てる側のリスクとして、連帯保証人が自己破産してしまうリスクがあります。

自己破産とは、財産をすべて失う代わりに借金も帳消しになるという立て直しの手段。

連帯保証人が自己破産すると、当然返済能力なしと金融機関から判断されます。

連帯保証人の資格は取り消され、金融機関は債務者にローンの一括弁済を求めることができるのです。

ローンを一括で支払うとは恐ろしい話ですが、きちんと返済を続けていれば回避できます。

とはいえ、新たな連帯保証人を求められる可能性も高いので、対応を迫られることとなるでしょう。

債務者が自己破産するリスク

連帯保証人になるリスクとして、債務者が自己破産するリスクがあります。

債務者が自己破産をすれば、当然家も手放すこととなりますが、住宅ローンの返済義務からも解放されることとなります。

問題は、連帯保証人に返済義務が残ってしまうこと。

住宅ローンの残りを連帯保証人が請求されてしまうのです。

残り少しならともかく、多額の借金が残っている場合はかなり苦しい状況となります。

債務者に続いて、連帯保証人も自己破産するケースが多いので、注意しておいてほしいリスクです。

離婚をした時のリスク

夫婦であれば、離婚をした時のリスクも考えておかなければなりません。

しないのであれば問題はありませんが、何が起こるかわからないのが人生です。

万が一離婚をしたとしても、基本的に連帯保証人から外れることはありません。

連帯保証人になる条件は身内であることではないからです。

他人でも連帯保証人になることはできます。

よって、たとえ縁を切っていたとしても、連帯保証人として返済を求められる可能性があるのです。

もう住んでもいない家のローンを返済するのはなんだか腑に落ちませんが、連帯保証人になった以上返済の義務を負わなければなりません。

以上が連帯保証人に関連するリスクです。

頼む相手も見極めなければなりませんし、連帯保証人になるのも覚悟が必要であることがわかりますね。

連帯保証人から外れるには

責任の重い連帯保証人、なってしまったけれどやっぱりもうやめたい……。

そんな時があるかもしれません。

連帯保証人から外れるにはどうしたらよいのでしょうか。

繰り上げ返済でローンを完済

そもそもローンをすべて返済すればいいじゃない、というパターンです。

追加で返済をすることでローンがなくなれば、当然連帯保証人も不要となります。

ただし、この方法はあまり現実的であるとはいえません。

住宅ローンを一気に返済することはかなり難しいですし、それだけの資金力があればそもそも住宅ローンを組む必要すらありません。

一応、一定額の繰り上げ返済で連帯保証人を外してもらえることもありますが、どちらにせよかなりのお金が必要になるのは間違いないでしょう。

住宅ローンを借り換える

住宅ローンは、借り換えることができます。

本来はより低い金利などを目的とする借り換えですが、連帯保証人から脱出する手段の1つでもあります。

再度審査を受けなければなりませんし、通過できたとしても組みなおすには手数料などお金がかかります。

収入を多くする目的で連帯保証人を立てていた場合、単独の収入では審査に通らない可能性も高いので、険しい道のりといえるでしょう。

代わりの連帯保証人をたてる

金融機関との相談次第では、代わりの連帯保証人を立てることも可能です。

自分で見つけてくる必要はありますが、見つかれば連帯保証人から外れることができます。

自分よりも収入が多く返済能力が優れている、債務者の親族である、など金融機関に認めてもらえそうな代わりを見繕いましょう。

以上が連帯保証人から外れる方法です。

簡単な道のりではありませんが、万が一のリスクを考えると歩いて損はない道でしょう。

連帯保証人になっていても住宅ローンは組める?

住宅ローンを組みたいが、知人の連帯保証人になっていた。

そんなこともあるかと思います。

すでに連帯保証人になっていた場合、住宅ローンを組むことはできるのでしょうか。

答えとしては、できなくはないが難しい、です。

住宅ローンの審査は信用情報機関の情報をもとに行われます。

その情報には、連帯保証人になっていることも含まれており、隠すことはできません。

金融機関はそれを考慮したうえでお金を貸すかどうか判断するわけです。

連帯保証人になっている返済額が大きければ大きいほど、金融機関からは警戒されてしまうでしょう。

まとめ

  • 住宅ローンには審査がある
  • 原則保証人は不要
  • 連帯保証人を立てれば審査に通る可能性が上がる
  • 保証人がひつようになるケースもある
  • 保証人、連帯保証人、連帯債務者の意味はそれぞれ異なるので要注意
  • 連帯保証人の代わりに保証会社がある
  • 連帯保証人にはリスクが付きまとう
  • 連帯保証人から外れることは難しい

終わりに

いかがだったでしょうか。

保証人にはメリットもありますが、デメリットもありリスクも付きまといます。

上手く活用すれば、よりよい住宅を手にすることができますし、保証人となった相手に迷惑をかけることもありません。

問題は、返済が困難になった時です。

あなたがローンを返さなければ、連帯保証人は巻き添えを食らいます。

そんなことにもならないためにも、計画的な利用を心掛けましょう。

審査に通るのがゴールではなく、返済し終えるのがゴール。

住宅ローンを組む際には、そんなことを意識しながら申し込んでみてくださいね。

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