住宅購入は、数千万円にもなる大きな買い物です。
できれば一括払いなんてことをしてみたいですが、ポンと出すには少々金額が大きすぎるというもの。
現実的に将来を見据えて、住宅ローンを組んで長い時間をかけて返済する、という方法で家を買うのが一般的です。
そんな住宅ローン、組むことができるかどうか不安を抱く人も多いのではないでしょうか。
「家賃滞納をしたことがあるけど住宅ローンは組める?」
「審査への影響は?」
そんな不安や疑問を今回は解決します。
家賃滞納は住宅ローンの審査に影響があるのか、信用情報の傷とは何なのかなど、気になる疑問を徹底解説。
この記事を読めば、家賃滞納がある人でも住宅ローンを組むことができますよ。
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Contents
住宅ローンを組むには審査に通る必要がある
住宅ローンは、誰にでも組めるものではありません。
負担額は大きく返済期間も長いのが住宅ローンの特徴であり、その分きちんとした審査が用意されています。
金融機関としてはできるだけ多くの人に住宅ローンを組んでもらいたいため、通らない人のほうが多いほど厳しい審査をするわけではありません。
とはいえ、「この人は信用できるな」「最後まで返済できるだろうな」という相手にだけお金を融資したいので、審査で落とすこともあります。
今住んでいる賃貸の家賃を滞納している方などは、審査に落ちないか心配だと思います。
家賃滞納は、住宅ローンの審査に悪影響を及ぼさないのでしょうか。
家賃滞納による審査への影響は?
結論からいうと、“基本的に家賃滞納をしていても住宅ローンの審査に問題はありません”。
ただし、家賃滞納が原因で審査が不利になることもあります。
住宅ローンの審査において家賃滞納が問題となるパターンと、ならないパターンが存在するのです。
違いは、信用情報機関に情報が登録されているかどうか。
審査は信用情報機関の情報をもとに行われるため、そこに家賃滞納の情報があるとマズイわけです。
信用情報機関とはいったい何なのでしょうか。
信用情報機関とは
今現在、信用情報機関は日本に3つあります。
- KSCC(全国銀行個人信用情報センター)
- JICC(株式会社日本信用情報機構)
- CIC(株式会社シーアイシー)
これら信用情報機関に、個人の信用情報が登録されているのです。
消費者金融などの貸金業者やクレジットカードを扱う信販会社、保証会社などが信用情報機関の会員であり、情報を提供しています。
住宅ローンを販売する金融機関は、それらの情報を見て審査を行い「ちゃんと返済してくれるかどうか」を見極めるわけですね。
家賃滞納の情報は基本的に信用情報機関に登録されない
家賃滞納をしても、一般的には信用情報機関に情報が登録されることはありません。
家賃を支払う相手が、大家さんや賃貸物件の管理会社であることが多いからです。
大家さんや管理会社は信用情報機関の会員ではないので、情報が登録されることもないわけですね。
信用情報機関に家賃滞納の事実が登録されなければ、金融機関も知ることはできません。
家賃滞納をしていても、審査に影響が出ないのです。
保証会社が関わっていると審査に影響が出る
ではどういう状況だと、信用情報機関に家賃滞納の情報が登録されてしまうのでしょうか。
それは、保証会社が絡んでいるときです。
賃貸契約をする時、親など身内を保証人に立てますよね。
保証人を立てることで、家賃が支払えなくなったときに代わりに返済をしてもらえます。
ですが、中には保証人が見つからないことも。
そこで活躍するのが、保証会社なのです。
保証会社とは
保証会社とは、契約者が家賃などを支払えないときに代わりに返済してくれる会社のことです。
家賃がチャラになるわけではなく、今度は保証会社から滞納分のお金を請求されます。
家を貸す側からすれば、家賃が回収できなかったという最悪の事態を避ける保険です。
借りる側からしてみても、保証人が見つからない場合に頼れる存在であり、便利な会社であるといえます。
そんな便利な保証会社が家賃滞納に絡むと、なぜ審査に影響が出るのでしょうか。
なぜ保証会社を利用すると審査に影響がでるのか
家賃滞納の事実が保証会社に知られてしまうと、審査に影響が出てしまいます。
保証会社は、信用情報機関の会員である可能性が高いからです。
ある程度家賃を滞納すれば、代わりに支払うポジションである保証会社にも当然連絡がいきます。
そうなれば、保証会社はその事実を信用情報機関に送るので、家賃を滞納している人物として登録されてしまうのです。
家賃を滞納していればローンの返済にも不安が
家賃滞納の情報が信用情報機関に登録されてしまえば、住宅ローンの審査でその事実が明るみに出てしまいます。
家賃滞納を知った金融機関が、「ローンも滞納するのでは」と警戒するのは当たり前ですよね。
こうして審査で不利となってしまい、家賃滞納が原因で住宅ローンを組めないかもしれないのです。
家賃の支払いをクレジットカード払いにしている場合も要注意
保証会社を利用していないから大丈夫だ、と油断するのは禁物です。
もし家賃の支払いをクレジットカード払いにしているなら要注意。
クレジットカードの延滞情報は信用情報機関に登録されてしまうため、家賃滞納によって審査に悪影響が出てしまうのです。
保証会社が絡んでなくても家賃滞納が審査に響く可能性があるので、気をつけておきたいですね。
とはいえ、家賃滞納をしないのが一番です。
計画的にお金を使うようにしましょう。
家賃滞納だけじゃない、信用情報の傷
家賃滞納の事実が信用情報機関に登録されれば、あなたの信用情報に傷がついてしまいます。
いわゆるブラックリスト入りです。
信用情報に傷がつく原因はいろいろあります。
住宅ローンの審査に通るためにも、確認しておきましょう。
家賃滞納
保証会社が絡んでいる場合に限ります。
大家さんに直接支払っている場合や、管理会社が相手ならば問題はありません。
クレジットカードの延滞
支払いが遅れれば、信用情報に傷がつく原因となります。
支払い方法をクレジットカードにしていて気づかぬうちに、ということもあるので注意しておきましょう。
スマホなどの本体分割払いを滞納
スマホなどの分割払いが原因で傷がつくこともあります。
月々の使用量に加えて、本体代を分割払いする人は多いはず。
こういった割賦契約はローンを組んでいるのと同じであるため、滞納には要注意です。
消費者金融での返済遅延
アコムやアイフルなど、消費者金融は信用情報機関に登録しています。
お金を貸す業者ですから、情報共有のためにも当然といえるでしょう。
借りたお金の返済が遅れれば、傷がつく原因になりえます。
奨学金の返済滞納
奨学金も傷の原因の1つです。
奨学金を利用した機関にもよりますが、信用情報機関に登録しているところが多いので気を付けるに越したことはないでしょう。
ローンやクレジットカードへの多重申し込み
複数のところからお金を何回も借りていたり、クレジットカードの申し込みを何回もしたりすると信用情報に傷がつく恐れがあります。
住宅ローンの審査でも不審がられて落ちる可能性が高くなるので、やめておくのが賢明です。
公共料金の滞納
公共料金をクレジットカード払いにしていることでも傷の原因となります。
滞納しないよう注意しましょう。
以上が信用情報に傷がつく原因です。
3か月以上の滞納で信用情報に傷がつく
1か月程度の滞納であれば、信用情報に傷がつくわけではありません。
一般的に3か月以上の滞納が問題視され、金融トラブルを起こしたとして扱われてしまいます。
2か月以上でアウトになることもあるので、滞納したら2か月以内に解決するのがベストです。
ただし、期間が短くても、1年のうちに滞納が複数回あれば傷がつくこともあるので要注意です。
傷がついているかどうか確認しよう
家賃を2か月滞納してしまい、自分の信用情報に傷がついていないか不安になった場合はどうしたらよいのでしょうか。
個人の信用情報が気になったら、信用情報機関に問い合わせをしましょう。
ネット・郵送・窓口を通じることで自分の信用情報を照会することができます。
照会にはお金がかかりますが、傷がついているかどうかで今後どうするか決められるので確認することをおすすめします。
滞納が原因で信用情報に傷がある場合、返済状況の欄に異動の文字があるので、確認してみましょう。
もしも信用情報に傷がついてしまったら
万が一自分の信用情報に傷があったとしても、悲観することはありません。
信用情報機関に登録されている情報には期限があるため、傷がある事実もいつかは抹消されるのです。
滞納などの過去起こした金融トラブルは、だいたい5年ほどで消えます。
間違った情報である場合は、それを証明して訂正することができますが、事実であれば受け入れるしかありません。
信用情報の傷が消えるまで待ちましょう。
傷がある限り、新たにローンを組んだりクレジットカードを作ったりすることは難しいので、むやみに申し込まないようにしてくださいね。
住宅ローンの審査はさまざまな要素が重要視される
「家賃滞納は住宅ローンの審査に関係ないのか、なら心配ないな」とはなりません。
信用情報の傷以外にも、年収・勤務先・勤続年数・健康状態などさまざまな要素が審査されます。
その中に問題があれば審査に落ちてしまう可能性は十分にあるのです。
落ちた理由を金融機関から教えてもらうことはないので、もし落ちてしまった時には自分で原因を分析する必要があります。
家賃滞納以外の要素にも気を配り、住宅ローンの審査に落ちる可能性は少しでも低くしておきましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
家賃滞納は、必ずしも住宅ローンの審査に影響があるわけではありません。
申し込みたい場合は、心配せずチャレンジすると良いでしょう。
とはいえ、家賃滞納という負担を抱えているのは事実。
これから住宅ローンという大きな荷物を背負うわけですから、そのために少しでも滞納分は返済しておきたいところ。
住宅ローンの返済を滞納することがないよう、きちんと家賃は返済してから審査を受けてくださいね。