不動産を購入すると相続税対策になるということを聞いた方もいるのではないでしょうか。
不動産購入は相続税対策として話題を呼んでいます。
相続税対策だけでなく各種税金の節税をするために不動産購入を検討する方も増えていますね。
今回は不動産購入が相続税対策になる理由について解説していきます。
※本ページにはPRが含まれます。
そもそも相続税って何?
相続税という言葉をご存知の方も多いのではないでしょうか。
相続税という言葉は聞いたことはあるけれど、詳しい内容までは分からないという方もいると思います。
相続税とは相続や遺言等で遺産を受け継ぐ時に遺産総額が大きい場合にかかる税金のことです。
定められた金額に満たない場合には相続税は発生しません。
この定められた金額を相続税の基礎控除額といいます。
相続税の基礎控除額は以下の通りです。
法定相続人の人数 | 基礎控除額 |
---|---|
1人 | 3,600万円 |
2人 | 4,200万円 |
3人 | 4,800万円 |
4人 | 5,400万円 |
5人 | 6,000万円 |
基礎控除額は法定相続人の人数によっても異なります。
基礎控除額を超える場合は相続税の確定申告が必要です。
また、相続税申告になるものもあればならないものもあるので注意しましょう。
相続税の課税対象は3つの種類に分けられます。
一つ目が不動産、二つ目が金融財産、三つ目がその他です。
不動産は土地や建物のことですね。
金融財産が指すものは現金や預貯金、株式等です。
その他の内容は車や家具、リゾート会員権等の不動産や金融財産に該当しないものになります。
不動産が相続税対策になる理由
なぜ不動産を購入すると相続税対策になるのでしょうか。
相続税には不動産も含まれることを先ほどお話しました。
不動産の相続は節税に対して非常にメリットがあります。
例えば不動産を購入してマンション経営を行っているパターンです。
現金を相続するよりも不動産を購入して賃貸用の住宅として相続すると小規模宅地の特例や相続税評価額という点で相続税対策ができます。
小規模宅地の特例は被相続人が住んでいた土地を相続する際に一定の条件を満たせば相続税の課税評価額が50%~80%まで減額される特例をいいます。
小規模宅地の特例が適用することで数千万円の差がでることもあるほど、節税のメリットが高いものです。
相続税評価額は相続税や贈与税の基準となる価格を指します。
相続・贈与等の財産は相続開始日又は贈与による財産取得日の時価をベースに評価されます。
財産の種類によって評価方法が異なることも特徴の一つですね。
財産の種類ごとの評価方法は国税庁が公開しているので気になる方は一度確認してみると良いでしょう。
まとめると、不動産が相続税対策になる理由としては相続税評価額を引き下げできるということが理由です。
不動産は売却額よりも低い相続税評価額が付けられます。
例えば2億円の預金を相続すると課税対象は2億円ということになりますね。
ただし2億円を現金ではなく不動産として相続する場合は評価額が減額されるので、結果的に現金で相続するよりも課税金額が大幅に削減できます。
次に不動産を相続税対策として利用する方法をご説明していきます。
不動産を相続税対策として利用する方法
不動産は相続税対策として非常に有効な手段です。
ここでは不動産を相続税対策として利用する方法をご紹介していきます。
賃貸として出す
購入した不動産を賃貸として出すという手段も相続税対策として有効です。
賃貸物件は借家権という権利があるため、相続税評価額を引き下げることができます。
借家権は借地借家法という法律で定められる賃貸物件での借主を保護する制度のことです。
貸主が一方的に契約の更新を拒否することや借主に対して立ち退きを迫っても正当な理由が無ければ認めることができないといった制度のことです。
借家法では借主の立場を保護する反面、建物を所有する貸主が建物に持つ権利を制限します。
制限された権利を担保に建物の相続税評価額を割り引きます。
ここでの割引率は全国一律で30%です。
ほかにも賃貸用の土地を貸家建付地と呼びます。
貸家建付地に対しても相続税評価額が割り引かれますね。
マンションの購入
マンション購入も相続税対策として有効な手段です。
ここで購入するマンションはタワーマンションやワンルームマンション等であれば十分に相続税対策ができます。
一般的なワンルームマンションの場合、賃貸用であれば1部屋につき1,000万円~2,500万円程度でしょう。
マンションを購入すると、相続税評価額は時価3分の1まで抑えることが可能です。
預金額を現金で受け取る場合は受け取った金額全てに課税されますが、マンションを購入することで3分の1の金額のみの課税額になります。
もちろん人気の地域や駅付近といった好立地の場所では時価と評価額に差が出るため、節税効果も大きくなります。
相続時精算課税制度を使用する
相続時精算課税制度を使用するのも相続税対策の一つです。
相続時課税制度は60歳以上の父母や祖父母から20歳以上の子や孫の生前贈与について子や孫の選択によって利用できる制度になります。
贈与の際は贈与財産に対して軽減贈与税を支払って、相続時に贈与財産とその他の相続財産を合計した価額を基に算出した相続税額からすでに支払った贈与税額を精算したものです。
相続税と比べても贈与税の負担が大きくなるため、相続時精算課税を利用して生前贈与を行えば贈与税がかからずに節税できます。
不動産の相続税対策で注意するポイント
不動産を活用した相続税対策は非常に有効な手段です。
しかし、メリットだけでなくリスクがあることも頭に入れておかなければなりません。
ここでは不動産の相続税対策で注意するポイントについてお話ししていきます。
まとまった資金が必要
不動産の相続税対策は節税効果が非常に大きいです。
その反面で投資額も大きいので資金が必要になります。
まとまった資金が無ければ不動産を活用した相続税対策はできません。
賃貸では想定外の支出が発生する
購入した不動産を賃貸として利用する際は想定外の支出が発生する可能性が高いです。
賃貸では空室になると家賃収入が減ります。
複数の物件を賃貸として出していれば全家賃収入が0となることはありませんが、単独での賃貸の場合は家賃収入が0になる可能性があります。
他にも銀行等の金融機関から借り入れを行って賃貸マンションを購入した際は返済期間が長くなることも。
返済期間中に金利が上がると、当然返済額も上がりますよね。
結果的に大きな負担になることになるので注意が必要です。
家賃滞納者がいる場合は家賃収入を取得できません。
他にも台風や地震等の自然災害がある場合には最悪の場合、不動産を失うということもあります。
相続争いの可能性
不動産が原因で相続争いに発展する可能性もあります。
相続時に遺産として不動産があることで相続争いは起きやすいです。
そのため、不動案を所有している場合は事前に相続争いを割けるために遺言状を残す等の対策が必要ですね。
借金をして不動産を所有することはNG
借金をしてまで不動産を所有することはNGです。
バブルの時期には借金をして賃貸マンションを購入するということも頻繁にありました。
これはバブルの時期で不動産の時価が上がったために起きたことです。
バブル崩壊後にマンションの空室が多数発生するという状況があり、空室が原因で投資費用の回収ができず、借金の返済で苦労するということもありました。
賃貸で物件を出すとしても家賃収入が取得できなければ借金の返済ができません。
借金をしてまで不動購入すると非常に大きなリスクを背負うことになるのでやめましょう。
不動産のトラブルを防ぐ方法
相続税対策で不動産が有効ということは皆さんも理解できたのではないでしょうか。
しかし、不動産を購入すると様々なトラブルが発生する可能性もあります。
「不動産を購入してトラブルが続いたらどうしよう」と思う方もいますよね。
中には不動産を購入してトラブルを抱えている方もいるのではないでしょうか。
ここでは不動産トラブルを防ぐ方法をご紹介します。
売却
「不動産トラブルが起きてどうしようかな」と思う方もいますよね。
確かに不動産は相続税対策に有効ですが、不動産を所有することでトラブルが発生する可能性もありますよね。
相続税対策にそこまで固執しないのであればいっそのこと売却しても良いでしょう。
持ち家を所有しているのであれば、持ち家を売却して現金として保管することも可能です。
現金にも現金の良さがあります。
現金は不動産とは異なり、均等な分割が可能なので、老後の資金に回すこともできますね。
トラブルが多発するくらいなら不動産を売却することも一つの手段です。
リースバック
皆さんは「リースバック」という言葉をご存知でしょうか?
リースバックというのは短期間でまとまった資金を調達したいという方におすすめの不動産売却方式のことです。
ただし、通常の売却とは異なる点があります。
リースバックの場合、業者に持ち家を売却して資金を取得しつつも家に住み続けられる制度です。
「売却したのにそのまま家に住み続けられるってどうゆうこと?」と思う方もいますよね。
それではリースバックのメリットとデメリットをお話しますね!
メリット
リースバックには以下のメリットがあります。
- 短期間で現金を受け取れる
- 引っ越ししなくて良い
- 売却したことが周囲にばれない
- 将来的に買い戻しができる
上記の内容について簡単にご説明します。
短期間で現金を受け取れる
リースバックのメリットとして挙げられることが短期間で現金を受け取れるという点です。
リースバックで通常の不動産売却とは異なり、所有権のみを第三者に譲る制度です。
そのため、通常の売却と比べて手続き自体も非常に簡単です。
複雑な手続きが無い分、短期間で現金を取得できる特徴があります。
「短期間で現金がほしい!」という方もきっといますよね。
そのような方にはリースバックがおすすめです。
引っ越ししなくて良い
引っ越ししなくて良いという点もリースバックの特徴です。
通常の売却では売却者は引っ越す必要がありますよね。
リースバックは売却した家に住むことができるので引っ越しをする必要がありません。
売却しても済み続けることができるというのはリースバックでの最大の特徴であり、最大のメリットでもありますね!
引っ越しが無い分、引っ越し費用もかかりません。
また、子供がいる場合、家を売却して引っ越すことで学区が変わることもありますよね。
リースバックでは引っ越しが必要ないので子供の学区が変更になることもありません。
将来的に買い戻しができる
将来的に買い戻しができることもリースバックのメリットですね。
「売却したのに買い戻しできるってどうゆうこと?」と思う方もいるのでは?
リースバックでは売却をしても買戻しが可能です。
一時の資金を取得するためにリースバックを利用した方の中にも「資金が増えてきたし、買い戻したいな」と思う方もいるのでは。
リースバックでは買戻しができるので、資金が戻るまでの一時のみリースバックするという選択肢もありますね!
デメリット
これまでリースバックのメリットについてお話ししました。
リースバックは自分の家を売却してもそのまま済み続けることもできて、買戻したい時に買戻しができる柔軟な仕組みです。
「こんなにメリットが多いのならリースバックを利用しよう!」と思う方もいますよね。
確かにリースバックには様々なメリットが存在します。
しかし、リースバックにはデメリットも存在します。
メリットとデメリットをしっかりと把握した上でリースバックを行いましょうね。
リースバックのデメリットは以下の通りです。
- 売却額が安くなる
- リース料金が相場より高い
- 買戻し金額が売却額より高い
リースバックのデメリットには売却額が安くなることやリース料金が相場より高くなることが挙げられます。
それではリースバックのデメリットについて簡単にご説明していきますね!
売却額が安くなる
リースバックの1つ目のデメリットは売却額が安くなるということです。
リースバックでは不動産の状態や住宅の立地条件によって売却額が変動します。
リースバック方式で売却すると従来の相場と比べて安くなる可能性もありますね。
そのため、売却の際はリースバックと通常売却の見積を比較しておくことをおすすめします。
どうせ売却するなら損はしたくないですね?
売却時に後悔しないように見積比較は欠かさないようにしましょう。
リース料金が相場より高い
リースバックではリース料金が通常の家賃相場より高い可能性があります。
リースバックでは毎月のリース料がかかります。
毎月のリース料の方が通常の家賃相場より高いということは少なからず同規模の家に住んでいる人よりも高い家賃を支払っているのと同じことになりますね。
リースバックを利用してリース料が高くなる可能性があるということに注意しましょう。
買戻し金額が売却額より高い
リースバックのデメリットとしては売却額を買戻し金額が上回る可能性があることです。
売却した後に「資金が確保できたので、買い戻したい!」と思う方も多いと思います。
その場合に買戻す金額が売却額を上回る可能性があります。
不動産の価格は状況によって変動します。
売却したときよりも買い戻そうとしている家の土地状況等が良くなれば家の価値が上がり、買戻し金額も高騰するので注意しましょう。
よくありがちなことが売却額を基準に買戻しの予算を建てるという人です。
先程お話したように売却時と買戻し時期や土地の状態によって買戻し額はことなるので、買戻しする際は売却額よりも高くなることを想定しておきましょう。
まとめ
相続税対策の一つとして不動産を持つことは非常に有効な手段です。
現金で相続すると相続した現金に対して相続税を支払わなければなりません。
不動産を購入して相続すれば現金で相続するよりも収める税金が少なくなります。
また、不動産を第三者に賃貸として出せばさらに税額を下げることも可能です。
他にも特例を利用すれば課税額を引き下げることもできます。
相続税対策として不動産は有効ですが、不動産を購入するには多額な資金が必要です。
また、不動産を相続することでトラブルが発生する可能性もあります。
不動産相続が原因で親族同士が揉めたという話を聞いた方もいるのではないでしょうか?
不動産相続ではトラブルはつきものです。
「不動産でトラブルが発生するくらいなら不動産なんていらない!」という方は売却しても良いでしょう。
売却すれば不動産相続でトラブルが発生することもありません。
「家を売薬したら引っ越し費用がかかるし、そんなにコストを掛けたくない」という方はリースバックがおすすめです。
リースバックなら将来的に自分の家を買い戻すこともできます。
売却しても自分の家に住み続けることができるので、一時のみ資金が必要という方はリースバックを利用してみてはいかがでしょうか。
いずれにしても相続税対策で不動産を購入するならメリット・デメリットを把握した上で決めましょう!