今回の記事では、変動金利型の住宅ローンに関わってくる「短期プライムレート」について解説します。
短期プライムレート自体は、優良企業に対して融資を行う際に適用される優遇金利のことです。
変動金利は短期プライムレートによって決定されているため、変動金利を利用しようと考えている方は是非参考にしてください。
ややこしいですが、短期プライムレートが変動金利の参考になると知っておけばOKです。
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Contents
短期プライムレートとは?
プライムレートというのは、金融機関が優良企業に対して融資を行う際の優遇金利制度のことです。
プライムレートを決めているのが日本銀行です。
日本銀行は、輸出入や工場機械受注の状況、在庫などの日本全体の景気を見て政策金利を決定しています。
この政策金利というのは、住宅ローンも例外ではありません。
景気が良くなれば住宅ローンの金利は上がり、景気が悪くなれば金利は下がります。
これらを踏まえた上で短期プライムレートの解説に移ります。
短期プライムレートというのは、金融機関が優良企業に対して1年未満で融資をする際に適用する金利のことを言います。
ただ、この短期プライムレートを利用するためには、優良企業と認定される方法がわからないですよね。
次は優良企業と認定される方法について解説します。
優良企業とは?
「そもそも、優良企業とはなんですか?」という方もいますよね。
まずは、優良企業について解説します。
優良企業というのは、事業の安定性、継続性がありユーザーに求められていて、社員の信頼が厚いホワイト企業のことです。
短期プライムレートの利用を考えている企業の方は、これらに当てはまるようにしておきましょう。
「短期プライムレート」と「長期プライムレート」の違いとは?
短期プライムレートの逆に、長期プライムレートというものもあります。
ここでは、短期プライムレートと長期プライムレートの違いについて解説します。
短期プライムレート | 長期プライムレート |
---|---|
・1年未満で住宅ローンを利用する際に適用する ・変動金利ではあるものの大した変動はない ・各金融機関が金利を決定している |
・1年以上で住宅ローンを利用する際に適用する ・短期プライムレートと比べて変動が激しい ・債権市場と連動する |
このような違いがあります。
長期プライムレートは、金融機関が優良企業に対して1年以上の融資をする際に適用する金利です。
短期プライムレートは1年未満なので、覚えやすいですね。
ただ、長期プライムレートを利用することができる企業というのは優良企業という制限以外にも東証一部上場している企業でなければなりません。
この点に注意しましょう。
長期プライムレートの金利は、金融機関の債権の発行利率に基づいて決定されるため、国債に影響されます。
日本の債権市場は日々変動するため、その変動によって長期プライムレートも変動します。
そのため、長期プライムレートの変動は激しいということです。
また、金利に関しては長期プライムレートのほうが高く設定されています。
なぜなら、長期で融資を行う方が短期で融資を行うよりもリスクが高いからですね。
ただし、景気が悪化すると短期プライムレートと長期プライムレートの金利状態が反転することもあります。
ちなみに、短期プライムレートよりも長期プライムレートの金利のほうが高い場合には「順イールド」といいます。
逆に、長期プライムレートよりも短期プライムレートの金利のほうが高い場合には「逆イールド」といいます。
どちらかのプライムレートを利用するときに出てくる言葉なので覚えておきましょう。
短期プライムレートと変動金利の関わりを解説
冒頭でも少し触れたように、住宅ローンの変動金利は短期プライムレートによって変動します。
詳しく言うと、短期プライムレートの金利は日本銀行によってコントロールして決める政策金利に基づいています。
少し難しいかもしれませんが、変動金利は短期プライムレートによって決まっているということを知っておけば問題ありません。
短期プライムレートの推移を紹介
最近のプライムレートの推移を紹介します。
短期プライムレートを知ることで、変動金利を知ることもできます。
そのため、短期プライムレートの傾向がわかれば変動金利のこれからの推移を予測することもできるのです。
それを踏まえて、最近のプライムレートの推移を確認してみましょう。
実施日 | 短期プライムレート | 長期プライムレート | ||
---|---|---|---|---|
最頻値 | 最高値 | 最低値 | ||
平成13(2001)年2月9日 | 1.5 | 1.625 | 1.5 | 2.05 |
(2000年8月24日) | (2000年8月25日) | (2000年8月24日) | ||
平成24(2012)年3月 9日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.35 |
平成24(2012)年5月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.3 |
平成24(2012)年7月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.25 |
平成24(2012)年11月 9日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.2 |
平成25(2013)年 2月 8日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.15 |
平成25(2013)年 4月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.2 |
平成25(2013)年 5月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.25 |
平成25(2013)年 6月11日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.3 |
平成25(2013)年 7月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.35 |
平成25(2013)年 8月 9日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.3 |
平成25(2013)年10月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.2 |
平成26(2014)年 1月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.25 |
平成26(2014)年 2月12日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.2 |
平成26(2014)年 7月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.15 |
平成26(2014)年12月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.1 |
平成27(2015)年 1月 9日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.05 |
平成27(2015)年 2月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.15 |
平成27(2015)年 9月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.1 |
平成28(2016)年 2月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1 |
平成28(2016)年 3月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 0.95 |
平成28(2016)年 7月 8日 | ↓ | ↓ | ↓ | 0.9 |
平成28(2016)年 8月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 0.95 |
平成29(2017)年 7月11日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1 |
令和元(2019)年 7月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 0.95 |
令和2(2020)年 4月10日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.1 |
令和2(2020)年 5月 8日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1.05 |
令和2(2020)年 8月12日 | ↓ | ↓ | ↓ | 1 |
参照:日本銀行
変動金利型の住宅ローンを利用しようと考えている方にとっては、これらの金利の動きによって変動金利を予測することもできるのでしっかり確認することをおすすめします。
変動金利と短期プライムレートの関係を知っておこう
変動金利を利用する際には、プライムレートが大きく関わっているということがわかったかと思います。
変動金利は、低金利で利用することができますが将来的にどのようになるかわからないのが難点です。
しかし、プライムレートを確認することによって予測をすることはできます。
変動金利を利用しようと考えている方はぜひ確認してみましょう。
また、企業として住宅ローンを利用する際にはプライムレートを利用して優遇してもらうことをおすすめします。